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劇場版・少年少女の戦極時代
鎧武外伝 バロン編
束ねる強さ @
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 ――登場した初期こそ、モグリのビートライダーズというだけで気に入らなかったが、今回の件で、その評価は大きく更新せねばならなくなってしまった。

(コドモだから弱いわけじゃない。コドモだから同じコドモと手を取り合う。それがお前たちの強さか)

 バロンは、気絶した咲をヘキサとナッツから受け取り、膝の上で横抱きにし、軽く揺さぶった。

『室井。起きろ』

 すぅ

 あの救出劇の中にあってさえ目を覚まさなかった咲の瞼が、半分だけ開き、黒い目にバロンを映した。

「あ、は。戒斗くん、来てくれたんだぁ」

 咲はふにゃりと笑い、小さな手でバロンのフェイスマスクを撫ぜた。

『来ないと思ったのか?』
「ううん。絶対来るって信じてた。まだあのエセ執事とケッチャクついてないもん」
『そういうことだ』

 バロンは改めて咲をリトルスターマインのコドモたちに任せ、タイラントへバナスピアを突きつけた。

『答えろ。何故最初から俺を狙わず、こいつらを襲って、人質まで取った』
『あなたが私の邪魔をするからです。いずれ“財団”の支配者となる私に対して、それがいかに罪深いか。大切なモノを踏みにじられて思い知ればいいとね』
『俺に思い知らせる? 笑止。ならば最初から俺と戦って俺を屈服させればよかった。そうしなかった、いや、できなかったのは貴様が弱いからだ。少なくとも、後ろのガキどもよりは、貴様は弱者だ』

 リトルスターマインの彼らは自ら行動を起こした。オトナの誰にも頼らず、小さな小さな力を一つに束ね、仲間を信じる気持ちを武器に恐ろしいモノに挑んだ。その勇気を、決断力を、認めないわけにはいかなかった。

『――シャプールを渡せ』
『欲しいなら俺を倒せ。俺より強いことを示せ』

 その言葉により、両者の戦いの火蓋は切って落とされた。





 咲の目の前で、バロンとタイラントの戦いは激しさを増し、ついにはバイクチェイスに突入した。

 バロンたちの姿が見えなくなった所で、咲はヘキサとナッツに一人でもう立てると伝えて、彼女たちの肩から腕を外した。
 アルフレッドに殴られた腹はまだにぶく痛むが、これしきで音を上げるわけにはいかない。

 すると、ヘキサがスマートホンを出して電話を始め、すぐ切って咲をふり返った。

「今、うちの車呼んだわ」
「ヘキサ」
「行きたいんでしょう?」
「うん」

 迷いはなかった。

 黒塗りの呉島家私用車が到着するなり、ヘキサが助手席、咲たちは2列ある後部座席に別れて乗り込んだ。
 ヘキサが運転手に行き先を指示した。
 車は走り出した。バロンとタイラントの決戦の場へ。





 車が採掘場に横付けされるや、咲は一番に車を降りて崖際に走っ
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