暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルなのは〜優しき狂王〜
2ndA‘s編
第十七話〜夜明け〜
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ベルの高い魔導師部隊において見劣りのする魔力量で彼女たちに匹敵するための力を得るためである。
 この考え方は皇歴の世界においてのナイトメアフレームの運用においてのエネルギー問題が元になっている。少しでも長く、そして少しでも高性能な機体を運用するためには動力であるエナジーフィラーの消費を抑えるため、ハード面の効率化は必須であった。その為、ライは少量の魔力で高出力を出せる魔力の圧縮運用に手を出したのだ。
 話を戻すと、少量の魔力で高ランク魔導師と張り合えるだけの運用法を冗談のような量の魔力を内包するナハトヴァールが、潤沢な魔力でそれを使用すればどうなるか。
 答えは火を見るより明らかだ。

「ナハトヴァールが展開中の障壁は残り三層。あれを抜く前に恐らくはタイムリミットです」

「……よしんば抜けたとしても、コアを露出させるほどの余力は彼女たちにはない、か」

「肯定します」

 内心で、人型の抵抗が消極的だったのは蒐集した魔力圧縮の運用を最適化するためのリソースを確保するためか、と今ではもう意味のなさない分析をしながらも、ライは視線を外さない。

「蒼月、パラディン」

「参加はしないつもりだったのでは?」

「無理はしないさ。でも、今更引く気はない」

 相方の気遣いに対してひどい返答だと自覚しつつもライの意思は変わらない。

「無茶に付き合わせるね」

「「今更です」」

 二機からの意趣返しのような返事に吹き出しそうになったが、なんとか堪えつつ意識を切り替える。
 視線の先では残り少ない魔力と辺りの魔力を収束させ、ブレイカー級の砲撃を行おうと準備するなのは、フェイト、そしてリインフォースとユニゾンしたはやての三人がいた。それを確認した瞬間、ライは口を開く。

「彼女たちが砲撃する前に障壁を削る」

「「イエスマイロード」」

 そう言うやいなや、背中側にあったため比較的損傷の少なかったエナジーウイングが展開される。その翼に色は鮮やかな翠ではなく銀。

「アクセルドライブ」

 Cの世界との繋がりを感情の流入という痛みを抱えることで確認した彼は、この日一番の加速を見せた。
 音を置き去りにし、なのは達の砲撃から退避している人たちも抜き去り、彼の視界にはナハトヴァールの醜悪な肢体と、濃密な魔力で編まれた障壁が広がった。
 障壁との彼我距離が数メートルとなった瞬間身体を捻り、遠心力をタップリと含みませながら右足に魔力を収束させる。
 すると、先刻行ったヴァリスの砲身を生成したように、脛に展開されていたパラディンの装甲部分を覆うように魔力で編まれた新しい甲冑が生まれる。
 そしてそれが編まれるとほぼ同時に、ライの蹴りがナハトヴァールの障壁に叩き込まれた。
 魔力で編まれた甲冑はそれに
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