暁 〜小説投稿サイト〜
ワールド・エゴ 〜世界を創りし者〜
world war2−『戦というモノ』−
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


 広がった闇は消し飛び、喰らった自然を吐き出した。

「……ッ??」

「−−ハァッ??」

 それは、0.001秒の間だった。

『 』の驚愕から来る、たった0.001秒の硬直。

 たったそれだけの硬直、それだけの隙。力のある者でも、突きようのない短い隙。

 だが、それでも−−

 天冠の前では、致命的だった。

 刀は、地を斬り、空を斬り、雨を斬り、雷を斬り−−



 その刀は、『 』を貫いた。
















 ◇◇◇◇◇


















「天冠さんッ??」

 天冠の身体が崩れ落ちる。消え去った『 』を貫いていた刀が、天冠の手から転がり落ちた。

「……ッ、申し訳ありません、負傷致しました。数刻で治療出来ますので、お構い無く」

「いえ、無理矢理にでもさせて貰います。じゃなきゃ《白亜宮》メンバーの名が泣きます」

 戦いを始めたのが天冠とはいえ、何も出来なかった自分を責める様に、半ば意地で治療を始める。天冠の身体には、戦闘中には気付かなかった大量の傷が存在していた。
 まるで爛れた−−いや、溶けた様な、そんな傷が。

「闇−−ですね」

 やはり、『 』を倒すのに無傷とは行かないらしい。幾ら倒せたとはいえ、この怪我の量は重傷だった。
『 』が貫かれたその時、『 』が闇を天冠にぶつけたのだ。

 __タダでは死なないという訳か。

「勝ててないですよ」

 思考に割って入るかの様に、天冠のそんな言葉が聞こえた。

「……え?」

「勝てて居ません。撃退しただけで、あの存在は無傷です。もっと力を付けねばなりません」

 再びましろに驚愕が襲い掛かる。

 __そんな馬鹿な

 此処までの傷を負って、あそこまでいい勝負をしたのに、無傷だと言うのか。

 そこまで、敵は圧倒的だと言うのか。

 ましろの中には、少しだけ余裕があった。
 此処までの実力者が揃えば、絶対に目的を果たせるだろう。そんな余裕が。

 −−誰がそんな事を言った?

 これは余裕では無い、油断だ。

 こんな事では、到底勝てない。
 敵は余りにも巨大だ。それを、今更ながらましろは思い知った。

 −−力を。

 −−力を得なければ。

 天冠の言う様に、抗えるだけの力を。

「……天冠さん、少し全力で走ります。捕まって下さい」

 背に天冠を抱え、ルークから授かった力を使う。

 踏み込むと同時に一気に景色が流れ、空を駆け抜ける。

 恐らく、他のメンバーでもまだ勝てないだろう。
 他の任務に当たっている仲間は、文
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ