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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
Story9 儚き散り行くは・・・。
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―闇ギルド 薔薇の女帝(ローゼンエンプレス)の地下牢屋―

薄暗く、かび臭い臭いが漂う牢屋の1室。そこに閉じ込められているウェンディとシャルルはガチャガチャと金属質な音を響かせながら手錠と足枷を外そうと奮闘していた。

「どぉシャルル?外れた?」
「全然ダメ。ビクともしないわ。ウェンディは?」
「私のも全然ダメ・・・」

2人はかれこれ1時間近く手錠と足枷を外そうと頑張っているのだ。
ウェンディの天空の滅竜魔法で壊せば簡単に済む事なのだが、残念ながら手錠が魔法を封じる魔水晶(ラクリマ)で作られているらしく、魔法を発動させる事が出来ないのだ。もちろんシャルルの(エーラ)も発動しない。

「どぉしよぉ〜・・・」
「もう!すぐ弱音を吐かないの!何か他に方法があるはずよっ!」
「「他に」って、どんな・・・?」
「そ、それはぁ・・・」

弱音を吐くウェンディに強がってみせるシャルルだが、いざ意表を突かれると何も答えられなくなってしまう。
ずーっと手錠と足枷で動きを封じられている為、手足が痺れて感覚が無くなってきている。一刻も早くこれを外さなければ―――――!と思ったその時、ガバン!と大きな音が牢屋に響いた。

「!?」
「な、何ッ!?」

ウェンディは手錠で繋がれている両手を上手く動かしてシャルルを自分の胸に抱き寄せると、その場で立ち上がり咄嗟に身構えた。
音の正体は牢屋の鉄製の扉が乱暴に開け放たれた音で、扉の前には金髪の巻き毛、黄色と白のフリルであしらったロリータ調のワンピース、フレームに黄色の薔薇の模様が描かれた眼鏡を掛けている少女が金色の大きな瞳を見開いて立っていた。
少女はポカ〜ン、とした顔でウェンディとシャルルの事を見つめていたが、ビシッ!と右手の人差し指で2人の事を指差すと、

「奴隷見つけたーっ!」

お気に入りの玩具(おもちゃ)を見つけた時の小さな子供みたいに満面の笑みを浮かべて言葉を言い放った。「奴隷」という酷い呼ばわれようにウェンディは曖昧に微笑みシャルルは眉間に皺を寄せた。
少女は後ろ手でバタン!と再び乱暴に扉を閉めると、

「わーい!お姉ちゃんと猫ちゃんの奴隷だーっ!」
「アハハハハ・・・」
「ね、猫ちゃん・・・!?」

両腕を頭上に高く揚げ嬉しそうに大きくバンザイをしながら、牢屋の中をピョンピョンと飛び跳ね回りながら、その少女ははしゃぎ回る。ウェンディは苦笑し、シャルルは猫ちゃん呼ばわりに驚嘆の声を上げた。

「あ、あのぉ・・あなたは・・・?」
「ん?モカ?モカの名前はモカ・バニティ!これでも、薔薇の女帝(ローゼンエンプレス)の立派な魔道士だよっ!」
「自分で名乗る前に2回も名前を口走っちゃってるじゃない・・・」

ウェンディの問いに少女―――モカは
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