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ああっ女神さまっ 〜明日への翼〜
明日への翼
04 RHAPSODY
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ルダンディーの「あの慌てぶり」があったわけだ。
 おそらくは螢一の前世が何か関係があるのではないか。
 ウルドやペイオースは考えているらしいのだが、今となってはもうどうでもいいことである。
 螢一のユグドラシルのハード管理神としての実績はもう誰もが認めるところだ。
 いずれは現在の一級管理神「ミース」に肩を並べるだろうと囁かれていた。
「アイリンは?」
「遊びに出かけてられますよ」
 メイド服のアリアが答えた。
 友達が迎えに来たらしい。なかなか人望が厚いようだ。
 ベルダンディーは紅茶のセットを手にしていた。とてもよい香りが漂っている。
 カップが三つ。天上界に戻ってからもこれだけは彼女が行っている。
「あの子にもう一度地上界を見せてあげたいのですが」
「俺は仕事があるからなぁ……死んでることになってるから、地上界に降りるわけにはいかないしな」
 ティーカップを手に螢一は紅茶の香りを楽しんでいる。
「そういえばこのところウルドを見ないけどどうしたのかな」
「さあ……姉さんの考えていることはよくわかりません」
 二人の背後、空間が揺らいでウルドが姿を表した。
 娘の愛鈴も一緒である。
「螢一、ベルダンディー。相談したいことがあるんだけどな」
 うららかな天上界の午後はゆっくりと過ぎていく。

 日曜日の夜半。
 予定を切り上げて、夫婦水入らずの旅行から戻ってきた仙太郎の父親、孝雄は、突然現れた「女神」に眼を丸くしていた。
 妻の静子も困惑顔だ。
「よろしくお願いします。お父様、お母様」
 胸に手をあてて頭を下げるスクルド。
 手足もすっかり伸びて、胸も腰も二人の姉に負けないぐらいになっている。ピンクと赤を基調とした天衣はスクルドにとてもよく似合っていた。
「ほんとにお前、そんな無茶なお願いをしたのか?」
「……いけなかったかな」
 迷子になった子犬みたいな仙太郎に対してスクルドは落ち着いていた。
「いけなくはないよ、仙太郎。「お願い」はもう受理されたから変更は出来ないしね」
 「君のような女神にずっとそばにいてほしい」
 それは螢一がスクルドの姉、ベルダンディーにしたものとまったく同じ「お願い」だったのだが、もちろん仙太郎は知らないことだった。
「まあ仕方ないわね」
 母親の静子は苦笑混じり。
「こんな形で家族が増えるとは思わなかったけど。二階の仙太郎の部屋の隣を使いなさい」
「ちょっ、ちょっと」
 孝雄が袖を引っ張っている。
「なによ」
「ほんとに一緒に?」
「いいじゃない。あなたも娘が欲しいって言ってたでしょ」
「いや……確かに言ったけど」
「産む手間が省けていいわ」
「僕は手間を省きたくないんだけどな」
 静子はこだわる夫を黙殺するとスクルドを手招きした。
 仙太
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