本編
第二十話 とある戦線の物語1
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西暦2115年 10月 20日
基地司令官ラーベクト中将
現在、基地内は慌ただしい空気に包まれている。
2時間前、哨戒に出ていた第304哨戒部隊所属の駆逐艦ユキカゼが単艦で帰還してきた。
ユキカゼの報告によると、哨戒ルートを航行中敵の大部隊に遭遇したらしい。
すぐに離脱を試みたが、高速戦艦が追撃してきたため、全艦で防いでいる間にユキカゼは離脱してきたようだ。哨戒部隊が遭遇した場所を基に計算した結果、この基地に到達するのは二日後との事だった。
私はこの報告を受けた後すぐに市民の避難を開始させ、統合作戦本部に増援の要請をし、防衛線の構築を指示した。
この基地には近くに工業地帯があるため、150隻の守備艦隊が配備されている。
他の基地と比べればとても数が多いが敵は2.5個艦隊、約850隻だ。まともに戦えるはずはない。
それに加えて敵は陸上戦力も豊富に存在している。ユキカゼの報告を受けた後、少数の偵察部隊を出したが、
敵の陸上兵力はおよそ50師団ほど、対してこちらは7個歩兵師団、2個機甲師団、5個砲兵旅団、3個機械化旅団。
こちらが防衛する側であるし、地の利も得られるため劣勢とまではいかないだろうが、飛空艦隊が敗北すればすぐに空からの砲撃を受けて全滅だろう。だがこちらは市民の避難が完了するか増援が来るまで持ちこたえていればいい。そう思えば少しは気が楽になる。
ちなみに最初の増援が到着するのは4日後。そのまた3日後に第八艦隊と第四独立艦隊が到着するそうだ。
4日後というのは自分が予想していたよりはるかに速い。話によると敵の物資集積所を発見したらしく、そこを襲撃するために編成された艦隊らしい。
指揮官は確か・・・何とかフェルトとかいう名前だった気がする。私も急いでいたのでよく聞き取っていなかった。
あと、市民の避難が完了するのは3日から4日後ぐらいだと報告された。
この時間は市民がいかにこちらの指示を聞いて動いてくれるかで大きく変動するらしい。下手に強制的にやってもトラブルが起きるだけでより時間がかかってしまう、そのあたりは担当の者がうまくやってくれるのを願うしかない。まぁその手のプロに任せてあるから大丈夫だろうが・・・
西暦2115年 10月 22日
ついに基地近郊にヘルメール伯爵率いるラブレンチヤ方面侵攻部隊約850隻と陸戦部隊が姿を現した。
「敵艦隊捕捉!数、およそ850!多数の陸戦部隊も確認!」
「総員戦闘配置!防衛装置起動!」
これを待ち構えていた守備隊は直ちに戦闘配置についた。
基本的に貴族が司令官を務める場合、ほとんどは副司令官または参謀長が指揮を執る。それはここも同じであった。
「全艦戦闘配置、敵艦隊はわが軍の半数以下だ。包囲すれば一揉みにできる」
参謀長エール
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