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オズのベッツイ
第四幕その十
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「もう何があっても安心よ」
「そう言える根拠がわからないんだけれどね」
 ココ=ローラムの言葉です。
「僕にとっては」
「あら、そうなの」
「うん、君はいつも自信満々だよね」
「不安なんて感じたことはないわ」
「その自信がわからないんだよ」
「だって。私は奇麗だし何も食べる必要も寝る必要もないのよ」
 こうした能力があるからだというのです。
「しかも頭がいいし素早くて」
「何でも出来るっていうんだね」
「そう、だからよ」 
 それでというのです。
「私と一緒にいたら心配することはないわ」
「それが根拠になるのかな」
 ココ=ローラムも首をかしげさせるのでした。
「一体」
「充分過ぎる程根拠になるでしょ」
「とにかく君はそう思っているんだね」
 こう考えることにしたココ=ローラムでした。
「ならいいかな」
「まあ任せてね」
 猫は相変わらずの自信に満ちた顔でベッツイに言うのでした。
「私がいるから」
「ええ、貴女も頼りにさせてもらうわ」
「私だけで充分でしょ」
 まだこう言う猫でした。
「まあ大船に乗ったつもりでいてね」
「そういえばこの娘って」
 ふとでした、ナターシャが言いました。
「これまで実際に何度も一緒に旅をしている人を助けたりしているのよね」
「そうよ、私がいてだったのよ」
 それこそだったというのです。
「皆助かったのよ」
「危機をよね」
「貴女達の危機なんか何でもないわ」
 猫はナターシャにも自信を見せます。
「だから安心してね」
「ええ、皆頼りにさせてもらうわ」
「皆なのね」
「だって。ベッツイさんもハンクもいるのよ」
 ナターシャはくすりと笑って猫に返すのでした。
「それならね」
「皆頼りにしないと、っていうのね」
「そう思うけれどどうかしら」
「私だけでいいというのが私の意見よ」
「貴女の力だけで充分っていうのね」
「そう、安心していいのよ」
 やっぱりこう言ったのでした。
「何度も言ってるのにわからないのね」
「気を悪くしたの?」
「別に。私がわかっていないのならわからせるだけよ」
 猫は自信を失わずに言いました。
「それだけのことよ」
「まあその自信があるのならね」
 ココ=ローラムがここでまた言うのでした。
「元気付けられるね、皆」
「ええ、この娘がいると安心出来るから」
 実際にと言うベッツイでした。
「有り難いわ」
「猫はいるだけで心の癒しになるしね」
「それだけでも充分嬉しいけれど」
「実際に色々してくれるから」
「頼りになることは実際だね」
「うん、何とかなるよ」
 是非にとお話してでした、そうしてでした。
 皆はパーティーを心ゆくまで楽しみました、そしてです。
 一行は薊の国を後にすること
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