空白期 中学編 19 「体育祭での一幕」
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から。というか、あんた手つきがはやてとは別の意味でいやらし過ぎるのよ。少しは中学生らしくしなさいよね。
「何やってるんだお前ら……」
聞き慣れた声に意識を向けてみると、少し汗ばんだショウが呆れた顔であたし達を見ていた。フローリアンさんの相手をしているうちに男子100メートルが終わったらしい。
「何って……愛を育んでいるのよん」
「あっそう」
「育んでなんかないわよ! ショウはどうでもいいみたいな反応しないで助けなさいよね。あんた、あたしの友達でしょうが!」
あんた、人によって対応違いすぎない。あたしがフェイトやディアーチェだったら助けに入ってたはずだし。
まああの子達は守ってあげたくなるというか、自分ひとりじゃどうにもできなさそうだから分からなくもないんだけど。
「友達でも拒否権はあるだろ」
「ショウくん、それは遠まわしに私の相手は嫌と言っているようにも取れるのだけど?」
「……嫌ではない。面倒なだけで」
うわぁ……絶妙な間と言い方するわね。普通に嫌と言われたほうがどれだけ良かったことか。
そう思ってフローリアンさんのほうに視線を向けてみると多少ダメージはあったように見えたが、すぐさま笑顔に戻ってショウに話し始める。
「あはは、相変わらずそういうところは素直に言ってくれるわね。まあ大丈夫よ、接していたらそのうち慣れるだろうから」
「それ……お前が言うことか?」
「細かいことは気にしない気にしない。あ、私そろそろ競技の時間だからまたね」
小悪魔的な笑みを一度浮かべたフローリアンさんは颯爽とこの場から去って行った。
何ていうか……よくもまああんな風に振舞えるものだわ。きっと並みの男子なら今のでKOされてたんでしょうね。ぐったりしたような顔を浮かべるのはうちの学校じゃこいつくらいじゃないのかしら?
「ん、何だよ?」
「別に……あんたも大変ねって思っただけよ」
「だったら今度からあいつの面倒を見てほしいだが」
「それは無理ね」
あの子の面倒を見るにはかなり時間が必要そうだし。
それにしても、ショウってずいぶんとフローリアンさんには砕けたというか荒めの言葉を使うのね。付き合いの長いあたし達の中でも使ってない相手はいるのに。だからといって問題はない……。
……ってわけでもないかもしれないわね。性格によっては自分よりも他の子とのほうが距離感近いんだって思ったりもしそうだし。それが誰かっていうのは確証がないから伏せておくけど。
「あぁそれとお疲れ様。うちのクラスで1位取ったのってあんたくらいなんじゃないの?」
「そんなこと言ってやるなよ。お前の言ったとおり、全員全力で走ってたんだから。俺だって組み合わせが良かっただけだろ。実際2位と差はほとんどなかったわけだし
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