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ワンピース〜ただ側で〜
おまけ9話『壁に潜んだ黒い影』
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予想以上の結果だ。予想以上というか、もはや斜め上に近いかもしれないほどの威力となったわけだが、とにもかくにも、威力があったことで不便なことがあるわけはない。

「ど、どうですか!」

 どもりながらも、平静を保ったつもりらしい。何事もなかった、とでもいいたげな表情をひきつらせながらもどうにか作って、白ひげへと振り向いた……のはいいのだが、その時には既にエースが白ひげへと「どうだ、オヤジ……これで文句ねぇだろ」と確認をとっていた。

 完全に落ち着いている表情で白ひげと会話を交わすそのサマは、ハントとはえらく違っていてその器の差が顕著に現れているのだが、当人であるハントもエースもその器とやらに全く興味を抱いていないため、ハントもそれを気にすることもなく、白ひげとエースの会話に自然と参加する。

「海軍はまだ死んじゃいねぇぞ……大将にセンゴク、ガープ。まだまだ油断できねぇ」
「……けど、今なら逃げれるだろ!」
「……つまり、海軍の主力をあと一人二人ぐらい倒さないと俺たちの力を認めてはくれないってことですか?」

 ハントの、珍しく察しの良い言葉を受けて、白ひげは笑みを浮かべて頷く。

「いくら雑魚を減らしても意味がねぇ……相手の主力を削ってこそ、今の海軍の力を作り上げた力を崩してこそ、お前らの……新時代の力ってもんが見れるってもんだぁ」
「今の海軍を作り上げた力って……もしかして?」

 ハントが若干に青い顔になって、それはつまり今の白ひげの言葉の意味に気づいたということで。
 新時代の海賊たちにとっての旧時代の象徴を白ひげとするならば、海軍の象徴はガープやセンゴク以外にはありえない。

「ハントじゃなくても俺――」
「――今のお前じゃハントには及ばねぇ。お前を新時代の到来にするにはまだお前じゃ力不足だ……気づいてるだろぉ、エース」
「っ」

 エースを遮った白ひげの言葉に、エースは反論できずに小さな音を漏らした。

 息子の、そういった態度もまたどこか白ひげにとっては楽しいものらしい。ほとんど瀕死に近いはずの体で「グラララララ」と声をあげて笑い、そしてハントへと言う。

「ほら、来やがった! どうせあいつらを崩さねぇと逃げることもうまくいかねぇ。やってみせやがれ! てめぇの力を俺に見せてみやがれぇ!」

 徐々に薄れつつある煙だが、まだ数m先を見渡すことすらもおぼつかないほどの大量の煙。そんな中をものともせずに飛来する一陣の影。

「ぶわはははは! 時代にケリをつけるか、海坊主ハント! ルフィの仲間とて今度は容赦せんぞ!」

 煙をかきわけ、笑い声を高らかに。

「クザン、ボルサリーノ! お前ぇらは逃げる海賊を追え! 逃がすな!」

 いつの間にか側にまで来ていたらしい、二人の大将へと
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