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詩集「棘」
この狭い世界の中で

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重ねてゆける思い出は
この後の僕には多分ない
絶望に追いつかれた僕は…きっと…

振り向かず歩いて行ける
方法を思い付けず悩んでる
見上げれば 光落とす月が…笑ってる…

溜め息をついた その刹那
君が傍にいるような気がして…

この狭い世界の中で
君だけがなぜか遠い
どこまで走っても
追いつくことの出来ない残像


いつか来る永久(トワ)の別れは
誰しも平等に訪れる
希望に縋りついた僕は…きっと…

君の心を手繰り寄せ
掴み取ることが出来ず悩んでる
落ちゆく陰 伸びて揺らめき…嘲ってる…

泣き出しそうな その瞬間
君の温もり感じたような気がして…

この狭い世界の中で
君だけがなぜかいない
大声で叫んでも
返ってくることのない幻影

この狭い世界の中で
緩やかに消滅してゆく
僕の魂(ココロ)はいつまでも…
追いつけない君の影…抱く…




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