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IS インフィニット・ストラトス
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「…………」

ーーえーと。

状況を再確認するぞ。今俺は高校一年、入学式当日。自己紹介の真っ最中。目の前に広がるのは二十九名の女子。後ろには、たぶん半泣きの山田先生。……ところで山田先生って下から読んでも上から読んでも『ヤマダマヤ』だな。うん、いい名前だ。覚えやすい。どうでもいいなこれ。

で、自己紹介を終わるに終われない俺。何せ目の前の女子は『もっと聞きたいなぁ!』という期待に満ちた視線を俺に送り続けている。

おい、箒、おさななじのよしみで助けてくれ。ーーあ、また目そらしやがった。薄情者め。感動の再会はどうした。そんなのねぇけど。

(やべ、マズイ。ここで黙ったままだと『暗いやつ』のレッテルを貼られる)

俺は呼吸を一度止め、そして再度息を吸い、思い切って口にした。

「以上だ」

がたたっ。思わずずっこける女子が数名いた。どんだけ期待してんだよ。無茶言うな。

「あ、あのー……」

背後からかけられる声。涙声成分が二割増している。え?あれ?ダメだったか?

パァンッ! いきなり頭を叩かれた。

「いっーー??」

痛い、という脊髄反射より、あることが頭をよぎった。

この叩き方ーー威力といい、角度といい、速度といい、とある人物ーーよく知っているとある人物が同じような感じなんだが……。

「…………」

おそるおそる振り向くと、黒のスーツにタイトスカート、すらりとした長身、よく鍛えられているが過肉厚ではないボディライン。組んだ腕。狼を思わせる鋭い吊り目。

「げぇっ、関羽??」

パァンッ! また叩かれた。ちなみにすげぇ痛ぇ。その音があまりにも大きいから、見ろよ女子が若干引いてる。

「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」

トーン低めの声。俺にはすでにドラの効果音が聞こえてるんだが、はて。

ーーいやしかし、待て待て待て。なんで千冬姉がここにいんだ?職業不詳で月一、二回ほどしか家に帰ってこない俺の実姉は。

「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」

「あぁ、山田君。クラスへの挨拶を押しつけてすまなかったな」

おぉ、俺は聞いたこともない優しい声だ。関雲長はどこへ?赤兎馬(せきとば)に跨って去ったのか、劉備の許へ?
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