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リュカ伝の外伝
男の甲斐性C
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(山奥の村)
ティミーSIDE

昨晩のお父さんの衝撃話から一晩明けた朝……
僕にはディープな内容過ぎて、寝不足状態です。
それでも少しは眠れたみたいで、ぼやけた思考状態で目を覚まします。

お爺ちゃん家のゲストルームを見渡すと、お父さんとお母さんが居ませんでした。
しかしポピーだけは僕の隣のベッドに腰掛け、僕が起きるのを待ってたみたいです。
何の用があるのか分かりませんが、無表情で怖いです。

「おはようポピー……お父さんとお母さんは?」
「二人は朝一から温泉に行ったわ……解るでしょ、意味」
ホント下品な夫婦だ。公共の施設なのに……

「それで……ポピーは何で僕が起きるのを待ってたの?」
「決まってるでしょ、私もお兄ちゃんと温泉入りたいからよ。お父さんとお母さんみたいにお兄ちゃんとね?」
気持ち悪い事言うな!

「ふざけるな馬鹿。僕は昨晩の話を聞いて気分が悪いんだよ……これ以上気分を悪くしないでくれ」
「ティミーは潔癖症ねぇ……だからお父さんは話したくなかったのね、この事」
何を言いたいのか解らないが、呆れた口調で溜息を吐かれて。

「何だよ! 潔癖症じゃなくたって、あんな話を聞かされりゃ不愉快な気分になるよ!」
「不愉快って何よ!? デボラさんもフローラさんもアンディーさんも、あの状態で幸せを手に入れたのよ! それともティミーは、好きな人が直ぐ側で他の人と愛し合ってるのを見せ付けられながら我慢するのが幸せだって言うの!?」

「そ、そんな事は言ってないけど……」
「“言ってないけど”何よ?」
ポピーは僕を説得する為に起きるのを待ってたみたいだ。迷惑な事に……

「良い……一人の人間が複数の相手と性的関係になることに不快感を持っても、それはティミーの勝手よ。でもね世の中には色々な状況ってモノがあるの。だからアンタはアンタの生き方をすれば良いけど、他人の生き方に不満を露わにしちゃダメなのよ、分かる?」

「わ、分かってるよ……」
「そう……なら私がこれから話す事をキチッと理解して、今回の件は強引にでも納得しなさい」
な、何を話すつもりだ?

「これからデボラさんに赤ちゃんが生まれ、その子は真実を知らずに育つでしょう……少なくとも、ルドマンさんが生きている間は」
「そうだろうね……可哀想な事だけど」

「可哀想? 本当に可哀想な事かしら?」
「だってそうだろ! お父さんの事を……直ぐ側に居る父親の事を知らずに育つんだぞ! 僕等は両親の居ない辛さを知ってるだろ」

「知ってるわよ……でも、その分だけ周囲の人が愛してくれる事も知ってるわ。違う?」
「……違くない」
それはそうだけど…

「もし今、この事実を世間に明かしたとして、アンタみたいな思考回路の人間が如何な目であの一
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