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詩集「棘」
君のいない この場所で

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春の風が通り過ぎてく
淡い陽射しが揺れている
目映いばかりの緑がなぜか
ふっと胸の中に刺さる

思い出さないようにしてる
そうしてるって思ってた
でも振り返った瞬間
そこへ幻を見てしまう…

君のいない この場所で
想いを紡ぐ毎日が
僕を闇へと誘って
いつかきっと 壊れてしまう…


夜明け前に回想する
いつか見た夢を思い出す
見上げた三日月の淡い光は
僕の想いを照らしていた

今の細やかな慰めは
冷めた珈琲と煙草だけ
小さな部屋の中で
想いだけがこだまする…

君が去った この場所で
淋しさ歌う毎日が
僕を冬へと誘って
求める術を失った…

君のいない この場所で
想いを紡ぐ毎日が
僕を刹那へ誘った…

いつか君を…抱きしめる




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