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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
ニ十二話 世界最強の少女
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「!?」
仰向けに倒れ、それでも即座に起き上がろうとした彼女はしかし、地面に向けて引き付けられるように再び倒れる。勿論、偶然やドジでは無い。ライノの電磁力変換がまたしても、少女の身体を地面に縫い付けるように引き付けていたのだ。うつ伏せと比べて、仰向けの体勢から起き上がると言うのは通常ならばともかく、地面に引き付けられている状態ではとんでもなくきつい。
一瞬では有るものの、彼女の身体が完全に硬直する。そしてその瞬間……

「ほい、どーん!!」
「ひぃっ!!?」
彼女の顔面のすぐ真横に、ハルバードの穂先が突き刺さった。

「降参、するかい?」
「は、はぃ……」
両手をホールドアップするようにして上げながら地面に横たわり、ミウラと呼ばれた少女は半泣きでそう答えた。

────

「いやぁ、やるじゃんミウラちゃ〜ん。俺ちょっとヒヤッとしたぜ?」
[ニヤニヤしないで下さい気色悪いです、今すぐその深海魚のような顔をひっこめてくださ……あ、失礼、私は深海魚の方々に何て失礼な事を……]
「そこまで酷い!?俺の顔そこまで酷い!?ねぇ!?」
相変わらずの毒舌っぷりにライノが半泣きでそう言うのを見ながら、苦笑して彼の目の前に居た薄く淡いオレンジ色の髪に深い緑色、そして完全な絶壁と化した胸の、ぱっと見少年にしか見えない少女……ミウラ・リナルディは言った。

「いえいえ!結局手も足も出ませんでしたから……それより、凄いです!ボクの動きも全部読まれたみたいでした……!」
ライノが今いるのは、アインハルトのデバイスを作った八神家の別のメンバーが近所の子供達に武道を教えている一種のご近所道場、「八神道場」の練習場になっている砂浜である。
其処でライノは、今期「八神道場」からIMに参加する彼女、ミウラのスパーリング相手を、ノーヴェを通じて依頼されたのだ。元々依頼の日は予定が空いていたため、あえてライノの方から出向き、こうして練習相手に徹している。

「ま、其れが此奴のやり方だからな」
ミウラの言葉にそう答えたのは、彼女並みに低い背丈に燃えるような赤毛をお下げにした少女……と言っても、実は今この場所に居る誰よりも年上な人物。八神はやての守護騎士、ヴォルケンリッターが一人、鉄槌の騎士ことヴィータである。
まぁ、騎士とは言ってもお気に入りのノロイウサギがプリントされたTシャツを着て、下半身ジャージな姿を見てるとただのボーイッシュな少女か何か……お世辞にもあのJS事件で、全身から流血しながらでも聖王のゆりかごの反応炉を破壊すると言う大奮戦を見せた、気合いと根性の権化のような騎士には見えないが。

「そうなんですか?」
「あぁ。此奴にとって他人の意表を突くのは十八番みたいなもんだ。記録されてる試合の中にも、そう言う試合が沢山あるからな。今の一連の
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