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我が剣は愛する者の為に
覚悟
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思うが、まずはご飯を食べよう。
 時間はたっぷりある。」

そう言って口を閉ざす。
質問しても答えてくれなさそうなので、目の前のコップに入っている水を飲む。
少ししてから料理が運ばれる。
麻婆豆腐だ。
男はいただきます、と合掌して食べ始める。
少し戸惑いながらも俺も合掌して食べる。
美味しかった。
いつの間にか箸は進んでいて、すぐに食べ終える。
思っていた以上に腹が減っていたようだ。
相手も料理は食べ終えていた。
食器を回収しに来た店員が席を離れた所で男はようやく口を開ける。

「まずは自己紹介からだな。
 俺は関忠、字は統。」

「北郷一刀だ。」

「では、北郷。
 お前は俺に聞きたいことは山ほどあると思うが、ひとまず堪えてくれ。
 順を追って説明した方が分かりやすいだろ。
 まずは俺の経歴から話そう。」

そう言葉を区切って話を続ける。

「俺は転生者だ。」

「はぁ?」

開幕、訳の分からない発言を聞いて思わず声が出てしまった。
転生者ってあれだよな。
二次小説とかで良く出る設定だ。
死んだ人間が神様に会って、何かしらの能力を貰って好きな世界に転生する。
もしかして、この関忠はまさにそれなのか?
さらに疑問が増えたが関忠は続けて言う。

「俺の前世の世界の名前は藤島縁。
 車に轢かれそうになった子供を助けたのだが代わりに俺が死ぬ事になってな。
 それを見た麻奈って言う神様が感動したらしく、この世界に転生させて貰ったんだ。」

「本当に二次小説な展開ってあるんだな。」

「二次小説?
 ああ、ネットとかのあれか。
 確かにそうだな。
 まぁ、北郷からその言葉を聞くまで思い出さなかったが。」

さっきからストップやらネットなどいう言葉が出てくると言う事は、少なくとも俺の世界の事を知っているという点は嘘ではないらしい。

「話が逸れたな。
 転生した俺は関忠、という名前でこの世界で生きている。
 この世界は三国志の時代。
 三国志、知っているか?」

「まぁ、人並み程度には。」

「なら、その説明は必要ないな。
 つまり俺が言いたい事は、お前がここにいる世界は夢でも何でもない実際に存在する世界だ。」

「元の世界に戻る方法はあるのか?」

「分からない。
 俺を転生させた麻奈なら何か知っているかもしれないが、俺個人では何も知らない。」

最悪、一生この世界で生きていく事になるのか。
何とも信じられない事が起こっているが実際に体験している。
関忠の言葉は信じてもいいと思う。
何の根拠もないけど。

「では、北郷。
 お前に聞きたい。
 これからお前はどうするんだ?」

「えっ、どうするってそりゃあ・・・・」


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