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極短編集
短編3「鏡台」

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 小学校1、2年の時の話だ。それまでは我が家に鏡台があった。夏のある日、いつもは寝室で寝ているのだが、夜、鏡台のある部屋で遊んでいるうちにそこで寝てしまった。両親は寝ているのでそのままにしてやろうと思って、タオルケットをかけたそうだ。
 そして深夜、笑い声に目が覚めた。クスクス、クスクスと誰かが笑っているのだ。声の方を見ると鏡台があった。鏡台には布がかかっていたが、その布が急に盛り上がったかと思うと、肉の塊みたいな人の形をしたものが這い出して来た。そしてそれは僕の肩を物凄い力でつかんだ。僕は叫んだ!と、そこで僕の記憶は途絶えている。
 次の日、目が覚めるといつもの寝室だった。リビングに行くと母がいて朝ご飯を作っていた。

「昨日、怖い夢を見たよ」

 と、言うと母はギョッとした顔をしながら……

「どんな夢だった?」

 と、言った。

「鏡台の部屋で、お化けに連れてかれる夢を見たよ!」

 と、言った所で、ガチャン!と、何かを割る音が聞こえた。

「それ夢じゃないから」

 母の顔は見る見るうちに青ざめていった。

「あんた、連れ去られそうになったんだよ!」

「えっ!?」

「叫び声がしたから、お父さんと鏡台の部屋に行ったら、気持ち悪いのがいて、あんたの肩をつかんで、鏡台に引きずりこもうとしてたんだよ!」

 と、母が言った所で父が来て言った。

「鏡を始末した」

 我が家の鏡台はもらいものだった。今回の事で詳しく調べてみたら、何でも使っていた人は、僕ぐらいの子どもがいる時に……



 自殺したとの事だった。

おしまい


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