神風と流星
Chapter2:龍の帰還
Data.23 通路の先に
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「いっ、つつつ……」
痛む頭を抑えながら起き上がり、すぐに状況を確認。
周りは一面岩の壁。上を見上げれば暗闇。あの床が元に戻ったのかどうかは知らないが、仮にまだあのままだというのにこれだとしたら、相当な高さから落ちたようだ。
フサフサ。
「で、下にはご丁寧に干草か」
どうやらあのダンジョンを設計した奴にも一握りの良心はあったようで、この空間の床いっぱいに大量の干草が敷き詰められていた。これに突っ込んだお陰で無事だったようだ。これが無かったら頭と地面が過激なスキンシップを取るところだった。こんなんで死ぬとか絶対に御免だよ。
「む〜!むぐぐ〜!」
干草の上を這うようにして移動していると、むぐむぐ言ってる謎の物体を発見した。引っこ抜いてみる。
「ぷはっ!た、助かったあ!ありがとね、ルリくん」
案の定、俺の相棒ことシズクだった。
「で、ここはどこなの?」
「知るか」
とりあえず周囲を探索してみることにしてみたので、フサフサしながら歩く。フサフサ。
「なんかみっけたー!」
早い。早すぎるぜシズクさん。まだ探索し始めてから一分も経ってないぜ。赤くないくせに早いとか訴訟。
「扉?」
「みたいだねー」
そこにあったのは扉だった。バーンパレスにあるやつみたいなの。竜闘気あっても破れないのに、俺達にどうしろと?
とかくだらないこと考えてたら何の躊躇いも無くシズクが開けた。そして普通に開いた。
トラップを警戒しながら恐る恐る扉の外に出てみる。するとそこにあったのは一直線のものっそい長そうな通路。もちろん周りは岩壁。どうやら進めということらしい。壁に矢印も付いてるし。
「どうする?」
「進もう」
「いや、どう考えても怪しいだろこれ」
絶対に碌なことがないよこの先。断言できる。
「まあ、別に引っ掛かっても何とかなるんじゃない?それにあたし達が確かめないと、他の人が同じ状況になったときに困るんだよ?」
「他人の都合など知ったことか」
とは言ったものの最終的には俺が折れて進むことになった。そろそろ俺とシズクの力関係を見直すべきなのかもしれない。
シズクが前、俺が後ろで進む。俺は後ろからの奇襲を警戒してゆっくり進んでいるので(たぶん)何も考えずにずんずん進んでいるシズクにすぐ引き離されそうになる。歩幅の差?おい誰の身長が小さいだと?売られた喧嘩は買うぞ俺は。
そして一本道の通路を進むこと十数分。
「出口だ!」
ついに出口が見えてきた。ここまで来ると一刻も早くお日様の下に出たいので俺もシズクも全力で駆ける。もちろん俺の方が遥かに遅い。
通路を抜け、数十分ぶりの外に出てきた俺達
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