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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百十二幕 「当方に迎撃の用意あり」
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人は何かの力なしには何事も成し得ない。
巨万の富を得ようとすれば、そのために商売や労働を、或いは他者から富を奪うに見合った能力がなければ夢に終わる。知力、魅力、腕力、体力、努力。全ては力への意思に始まる。だからこそユウも力を貴び、求めた。

来たるべき戦いに備え、為すべき策を講じた。その結果、ユウはある結論に辿り着いた。

「不良喧嘩大原則第四項……一人で駄目なら多数でボコれ!!」
(身も蓋もない……しかも、それ負けフラグ………)

グッと拳を握りしめて力説するユウに簪は少々困惑したが、同時にちょっとだけ安心した。発見した時はあんな様子だったから、そのまま一人で溜めこんでしまうのではないかと不安に思っていたのだ。元々ユウは割と無茶をする傾向にあるし、そのまま勝手に出歩いてしまうのではないかと心配していたのだ。

それに、理由は何であれこうして友達に頼ってもらえることも嬉しい。タッグトーナメント以来何だかんだで手助けが出来ていなかったため、借りを返すいい機会になる。
だが、少々疑問も浮かんでいた。

「……ねぇ、ユウ。多人数なのはいいけれど……そういう話なら、先生たちにも伝えた方が……」

唯でさえ現在はこちら側の戦力がばらけまくっている。現在宿に残っているのは訓練用の非実弾武装を抱えた訓練用IS数機に風花百華と打鉄弐式、後は真耶の教員用ラファールくらいのものである。簪としてはイレギュラーな相手に対処するには少々心細かった。

「タイミングからして、その襲撃者と所属不明ISに関連性がある可能性は……高い。あちらがISを持ち出す可能性も、大いに理解できる。でも……それなら尚更、数は増やした方が……」

訓練機はともかく真耶と千冬は学園でも指折りの実力者だ。おまけに千冬の方はISに乗らずとも生身でISを撃破できるクリーチャーの一種(←おい)である。戦力としては申し分ない。なのになぜそれを真っ先に自分に話したのだろうか。その疑問に対しユウは首を横に振った。

「いや、それじゃ駄目なんだよ簪。今回は僕と君の2人でやる……」
「ど、どうして……?」
「あの人はほぼ確実にぼく個人を狙ってる。というよりも他の事には興味がないように思える。つまり、山田先生なんかが出てきて俺にちょっかいをかけにくくなったらすぐに撤退して次の機会を伺ってくるかもしれない。次はより確実なタイミングを図るとか、ね」

確かにユウのいう事は一理あった。ジョウ達が不在になる一瞬のタイミングを的確についた電撃襲撃をやってのけたのだ。次に仕掛けてくるときはこちらにとって更にシビアなタイミングを狙ってくる可能性がある。そうなってしまうともう対策も仲間との連携もあったものではない。襲撃されるリスクは高いが、逆に向こうが攻め込みやすい今こそが迎撃するのに最高
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