その別れは、突然だった
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その別れは、突然だった
木曜日はやってきた。普通にやってきた
「石田、モアイと遊んでくるのか」
佐上は帰る前に、俺に聞いた
「あぁ、モアイが言うには、信頼作りだとさ」
「ふーん、お前は、モアイのこと嫌いなの」
「いやぁ・・・・だって、なんだか信用できないっていうか・・・・」
すると佐上は、大声で俺を笑った
「信用だけじゃないよ。大事なのは、短い時間、あいつとどれだけ楽しめるかだ。俺だって、あいつをまだ、地球侵略のライバルだと思って疑わねぇ。でも、あいつといると楽しいんだ。楽しい時は、楽しまないと」
「そうか・・・・ありがとな、佐上」
俺はお礼だけいって、教室を出た
でも、確かに、佐上の言うとおり、俺はあいつを見たとき、思わず笑ってしまう。それに素直に行けってことか・・・・
じゃあ、あいつで遊べるだけ遊んでおくか・・・・!俺の変なスイッチが押された
「モアイ、スピニングダンスして」
「いいですよ」
公園に来て、俺はテキトーにモアイに言ってみた。スピニングダンスって、今作った言葉だけど、わかるの?
すると、モアイは突然、さっきまであったはずの人間に近い石の胴体をしまって、写真でよく見るモアイの姿になった
そして、高速スピンを始めた
ギュルギュルギュルギュル・・・・・!
竜巻のような風が起こり、砂埃が巻き上がる
「モアイすごーい!」
そこの幼稚園児よ、そんな事を言っている場合じゃない、元凶は俺だ、早く逃げろぉぉぉぉぉ!!
しばらくしていると、モアイが止まって、またさっきの人型に戻った
「次、なにします?」
平然としてやがる・・・・!なんだか疲れきった俺は、とりあえず言った
「この街、UFO飛ぶんだよ」
「え?」
「俺、ちょっと疲れたから休もう。で、夜から、星を見よう」
「いえ、それまで遊びましょう」
え・・・・
俺はその後、公園、ショッピングモール、この街を、とにかくモアイに引きずり回された
人は俺を見て、指をさし、笑った。笑いたいのはこっちのほうだよ!俺の恥ずかしさを自分で笑いたいよ!
・・・・そして、夜になった。確かに、この街はUFOの目撃例が多い。星も街にしてはよく見える方だった
「素敵ですねぇ、街の中なのにこんなに星が見えるとは」
「満天の星空とは言えねぇけどな」
モアイは空を見上げた
「僕は幸せでした。楽しかったですよ、石田君と一緒に、この街を歩けて」
「そうか、俺は疲れたけどなぁ・・・・まぁ、楽しかったらよかったよ」
するとモアイは、そういった俺を見て、手を差し出した
「僕と石田君は、友達、ですよね?」
俺は、その手を握ろうかためらった。だが、佐上の言葉が頭によぎった
「短い時間、あいつとどれだけ楽しめるかだ」
そうだな、俺は自分のスイッチを押したじゃないか。固
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