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俺の名はシャルル・フェニックス
不束者と不死鳥
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というか普通に考えたら俺は悪い男だぜ?
何人も女を侍らす屑野郎だ」

それに最近ヒモになりつつあるしな。

束の。

つーか、領地経営自体も他人任せの時点でヒモか。

俺が働いて稼いだ金なんて一円足りともないな。

で、でもちゃんと仕事してるんだからなっ!?

はぐれ悪魔討伐やら、はぐれ悪魔祓い狩りやら、はぐれ魔法使い狩りやら。

この前は呪われた古代遺跡探索をしたしな。

あ、いや、これは仕事じゃねぇや。

理子と束と黒歌に拉致られて無理矢理連れてかれたんだった……

ヒッデェよな。朝起きたらよくわからん遺跡の真ん前だったんだぜ?

夜中のうちに黒歌の仙術と妖術、束の薬(と書いて毒薬と読む)でちょっとやそっとじゃ起きねぇようにさせられて連れていかれたんだぜ?

しかも不死鳥の不死性を利用した罠避けとして。

お前ら主をなんだと思ってんだっての。

まぁ、眷属であるだけまだ良いか。

本来なら誰かの下につくような奴じゃねぇしな。

束とか束とか束とか。

黒歌や理子だって自由気ままな自由人気質だしなぁ……?

一ヶ所にいるような奴等じゃねぇよ。

って考えると色んな義理を盾に押さえつけてるってことになるのか?

俺って。

流石にネガティブすぎるか……

ああ、クソ。

今の俺絶対おかしい……

「……せん……ぱい……?」

ほら、誠菜も心配そうにこっちをみてるじゃねぇか。

「いや、まぁ……な。
親って格好いいんだなって思ってな」

悪魔の、不死鳥の力を見せた後で誠菜の父親は俺をぶん殴ってきたんだ。

今までの常識外の力を持つ俺を。

娘のために。

そう考えるとさ。

偉大だなって思うんだ。

「俺、親と不仲だからさ。
叱られたことすらないくらいな」

殺意を向けられたことはあるんだけどなぁ……

俺としては聞き流してもらえばよかったんだが、心優しい誠菜がそんなこと出きるはずもなく、悲しそうに俯いてしまった。

ああ、もう!
本当に今の俺はどうかしてる。

少し考えりゃあ分かるじゃねぇか!

いつも通りにいかないことに苛ついて頭をガシガシと掻く。

「ああ、すまん。ほんと。
無神経だった。
まぁ、アレだ。親父さんとお袋さん大切にしろよ?
良い人たちなんだからさ」

「は、はい。私の……大切な……家族、ですから」

照れながらもはっきりと言う。

そんな誠菜を見てて俺は今の不調の原因が少しだけ分かったかもしれない。

羨ましかったんだ。

俺が手に入れられなかったモノを持ってるから。

本当に俺はどうしようもねぇ男だよなぁ。

こんな歳になってまだ親離れができてない
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