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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第十話 るいへの虐め
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しい。主犯の女子達だけがやればいい筈なのにクラスの女子さえも無視したりするのはおかしいのだ。

「そこも分かってる。多分女子達には何かしらの脅迫メールを送ってるんだ」

「脅迫メール?」

「ああ、何かしらの弱みを握っているか……それとも……」

「それとも……?」

「先輩としての命令か……」

それも全が考えている予想の一つ。目立っているるい達を妬んだ先輩の仕業、という可能性だ。

「最っ低!先輩として礼儀という物がないのかしらっ!?」

「落ち着け。俺はあくまで可能性の話をしているんだ。これが真実だ、という証拠が何一つないし、断定するのは難しい」

全はアリサを宥める。このままではアリサは一人で突っ走ってますます虐めの主犯の思うツボになると思ったのだ。

「全……」

「全君……」

アリサとすずかが呟く。やはり親友の事が心配なのだろう。

(どうにかしてやらないとな……)

全はそう固く誓った。

るいSIDE

最近、クラスの皆が私と話さなくなった。

こんな思いを私は前世でも受けていた。

あの時は確か……主犯は同じ女子だったと思う。

誰かが助けてくれたのは覚えてる。でもそれが誰かを思い出せない。

「大丈夫か、るい?」

「え?ええ、大丈夫よ」

聖が心配そうに私に話しかけてくる。

多分聖にはそういうのはいっていないのだろう。それもそうだ。聖は正義感が強い。こんなのは絶対に許さない。

だからこそ、私は聖に惹かれているんだと……

(…………?何、今の……?)

その時、私には変なビジョンが見えた。

そこは教室。でも今着ている制服じゃない。前世で通っていた小学校が指定していた服だ。

そこでも私は虐めを受けていた。

沈んでいる私に話掛けてくれた人がいた。

『大丈夫か、○○?お前一人じゃないんだからな。俺だってついてる』

『○○……うん、ありがとう。私、負けない。虐めなんかに、絶対に』

『うん、その意気だ!俺も協力する。絶対に打ち勝とう!!』

『うんっ!』

その時の私は本当に……いい笑顔をしていた。

そういえば……あんな笑顔をしたのって……いつからだっけ……?

それと……何であの笑顔を……忘れていたんだろう……?

「どうかしたか、るい?」

「い、いえ。何でもないの……」

聖はそこまで私を心配していないのだろうか……今見えた妙なビジョンにいた男の子と聖を比べてそんな事を思っていた。

私は、今度も負けないんだろうか……いや、負けちゃいけないんだ。

私は……絶対に……負けないって、誓ったんだ……!

SIDE OUT
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