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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【東方Project】編
071 ある日、山の中 その1
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相棒のおかげで力≠奮える事も多いからな。好きに使ってくれて構わないさ。……それに、この際乗り掛かった舟だ。相棒の往く道≠フ末も気にならないと言ったら嘘になるからな>

「それでも、だよ」

そんな感じでドライグに礼を言いながら鎧≠ノ続いて今度は双籠手≠解く。……これはとある、曇天(どんてん)で月が雲に隠れている──特に何でも無い十六夜(いざよい)の事である。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

失恋のショックからも立ち直り始めたある日。

ちなみに【満足亭】は既に畳んでいて、店を構えていた村からは出立していた。……輝夜が居なくなった途端、客足が冷やかし混じりなのか──逆に増えたが、輝夜も居ないので店を開く意味が無くなったからだ。……俺は輝夜との仲の所為で悪目立ちをしていたのもある。

「さてさて、さーて。いっその事ほとぼりが冷めるまで山にでも籠るかね。……ミナさんよ、そこんところどう思う?」

『……人はそれをひきこもり≠ニ云うんです。それにさん&tけをマスターにされると背中がむずむずするので止めて下さい』

「さてさて、さーて。いっその事ほとぼりが冷めるまで山にでも籠るかね」

“アギトの証”を装着していない俺を想ってくれているのか、霊体化しているミナから俺へと放たれた口撃(こうげき)が予想以上に俺の心の臓へと深く突き刺さったので、ミナ言葉は聞こえなかった事にしてテイク2。……そんな俺を見ているミナの呆れ顔も見えなかった事にしておく。

(……そのうち魔法力(MP)についてはどうにかしないとな…)

……そんなこれからの──わりと切実なる課題について考えながらも、ミナは俺の言葉を尊重してくれたのか、結局のところ──俺の冗談半分の提案通り、山に行く事になった。目指すは霊峰・富士。……がしかし、この時の俺は──輝夜(かぐや)と暮らしていたと云うのに、富士≠ノ行くと云う意味を失念していた。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「そういえばドライグ。……富士山と云えば、山梨県VS静岡県の第n次富士山論争≠思い付くよな。……もう随分と昔の事の様に思えるが」

<いきなり何を言い出すかと思えば…>

富士山に入山して開口一番ドライグに話し掛ける。ドライグは呆れた口調で溜め息を吐く。……ぶっちゃけ、後は“腑罪証明(アリバイブロック)”で数十年ほど未来に転移すれば良いだけなので、富士山に入った時点でわりと俺の本懐は遂げられていたりする。

輝夜に振られた俺──升田 真人は、自暴自棄となり富士山に入った=c。シナリオとしてはこんなところなのだが、富士山に入った俺≠周知させれば良いだけなので、前述した通り後は“腑罪証明(アリバイブロック)”で数十年ほど未来に転
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