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元虐められっ子の学園生活
祭りの必要事項
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てるか?上に立つ人間は全ての責任を取らなくてはならない。
万が一お前の指示に賛同し、学園祭当日までに作業が間に合わず、中止をせざるを得ない状況に陥ったとき、お前はその責任をどう果たしてくれるのかねぇ?」

「そ、そんなの…」

「ま、部下は上司の指示に従う。
端的に言えば上司の命令は部下の行動。部下の失敗は上司の責任になるわけだ。
当然、『作業ペースを落とす』と言う指示の結果がどのようになろうとも、責任は上司であるお前がとることになるんだよな」

俺は見下すように相模を見る。
相模は苦虫を噛み潰したような顔をして悔しそうにする。

「私は相模ちゃんの意見に賛成かなぁ?
委員会も大事だけどクラスの方も大事なんだし」

この(アマ)……!

「そ、そうですよね!
ほら、お姉さんもこう言ってることだし!クラスの方もちゃんと参加するべきなんだよ!」

味方を得たつもりか?
残念だがその女はお前の味方には見えないぞ?
言ってみればお前を蹴落とすための布石うちにしか見えない。

「それじゃ、今日は解散としまーす」

そうして委員会は終わりとなった。
結果的には相模の意見が通ってしまったようだ。
『作業ペースを落とし、クラスの方に顔を出せ』。
サボる事を肯定してしまうこの指示がどの様な結果をもたらすのかなど、一目瞭然であるが…残った人間に負担が来ることは間違いがないのだ。

「……ちっ」

何かを探るように俺を見てくる雪ノ下とニヤニヤする雪ノ下姉。
俺はその視線に耐えられず、任された仕事を鞄に積めて教室から出るのだった。




3日ほど経った日の放課後、会議室には昨日まで溢れるようにいた人員も、50から15人へと減少を辿っていた。

「……ちっ」

この状況の元凶である相模は当たり前のように出席しておらず、雪ノ下姉でさえも来ていない。

「私も…相模さんの意見に反対しとけば良かったなぁ……」

ふと顔を上げれば城廻先輩がたっており、苦笑いで俺を見ていた。

「ごめんね?あんなに意見してたのに賛同してなくて…」

「人って言うのは無意識の内に回りに合わせてしまおうとする。
問題なのはその空気が間違いであるかどうかに気づくかどうかです。お気に為さらず」

「うん。ありがとう」

しかし作業は追い付かない。
俺一人でも3人分は埋めているはずなのだが、やはりと言うか遅れる一方である。

「こ、これ……お願いします…」

「了解した。それと、俺が怖いのは分かるが、今は無礼講とでも思って気軽に接してくれ」

「あ、うん」

しかしこの学校に出回った噂はどんなものなのだろうか?
まさか不良と言うだけで怯えられているのであろうか?だとすれば外見で判断する
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