暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
月下の死闘(U) 〜舞い踊る剣舞〜
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 撤退戦じゃなく真っ当に魔術戦をするなら話は変わってくる。
 イリヤの能力は未知数だが、成す術なく負けるほどの力量差があるとは思わない。
 戦闘態勢で迎撃するなら、使い魔の光撃は障壁の最大展開で防げる程度の威力だ。

 問題は使い魔の攻撃の種類が光弾だけに限られるのか、最大数はいくつなのか。
 こちらが障壁で守りに入っている状態で、イリヤ自身が何らかの干渉魔術を行ってきては攻撃に出る隙がない。

 ならば先手必勝、何体か使い魔を撃ち落としてからイリヤを無力化する…………!!

Blitz Shot(雷撃), Phalanx(殲滅射撃) Ignition(一斉掃射)!」

 上空へ向けて光弾掃射。
 狙いなど定めていない、ただの乱射に近いがそれで二体の使い魔を撃墜した。

 瞬身の踏み込み。魔術行使からの加速突進。
 肉薄するまでに総じて5秒で為される速攻連携(アサルトコンビネーション)
 加減はない、躊躇いもない。今更彼女に対しての攻撃を迷うような余分など持ち合わせていない。

 ただ冷静に、冷徹に、冷酷なまでに行われる、兵者としての戦闘術理の極み。

 拳では弱い。リーチも短い。
 放つは渾身の脚、それも首ごと刈るような延髄斬り。
 身長差ゆえに跳ねる必要はない。身体ごと捻る地対地での回し蹴りを華奢な少女の頚椎目掛けて叩きつける────!!

「ッ!!」

 手応えは会心……直撃であるなら間違いなく、頭部に致命的な損傷を与えたと確信できる。
 確認する余裕はない。反撃とばかりに連射される光弾を後方跳躍で躱し、先ほどと同程度に間合いを離す。

 基本的に術者の意識が閉じれば魔術は成立せず、例えどれほど優れた魔術であろうと術者からの魔力が途切れたり術式形成が解ければ霧消する。
 しかし使い魔は例外的に術者の意識の有無や意思に関わらず動作するモノが多く、イリヤの使い魔は自律型というよりほぼ独立しているように見える。

 単独での魔力生成も可能としているのだから安易な判断は出来るはずもなく、願わくば先の一撃が決まっていることを期待したいのだが…………

「は? 使い魔……ぇえ??」

 こちらに光弾を撃っていた使い魔は先程までの鳥型だが、今イリヤの横に盾のように防御陣を展開しているのは、恐らく先程まで鳥型を模していた使い魔のはず。

 つまりさっき攻め込んだ数秒の間に、使い魔の形状を変化させて守りを備えていたということだ。

 使い魔っていうのは魔術として/個体として成立した時点で、新たに変更を加えるのは難しい。
 応用の効く範疇での変更か、もしくは派生……より機能を限定することによって特化、強化する方向くらいか。
 そもそもが機能を限定して能力向上を図っているパターン
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