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ナバホ=ビル
第五章
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「ネイティブの衣装とステージか」
「音楽もか」
「いいんじゃないのか?」
「面白いな」
「斬新でな」
「これまでのスクリューとはまた違うよさがあるよ」
 こう言うのだった。
「いい感じだな」
「最近このグループ少しマンネリが感じられたけれど」
「それを上手く打破したよ」
「また一皮剥けたか」
「成長したな」
 四人の狙いは当たった、それは成功だった。
 四人はこの成功を喜んでだ、ライブが終わり新しいCD、ジャケットをナバホ族の衣装と背景にしたそれが好評という話を受けてパーティーで祝った、そこにはジュリアもいる。
 そのパーティーの場でだ、四人は飲み食べつつジュリアに言った。
「今回もマネージャーのお陰だよ」
「いつもの知恵で助けてくれて有り難う」
「いや、ネイティブになるのもな」
「いいな」
「そうね、大成功だったわね」
 ジュリアも酒を手にしつつ応える、その酒はビールだ。四人と同じだ。
「私もそれが嬉しいわ」
「だよな、マネージャーさんとしても」
「それは嬉しいよな」
「担当しているグループが成功したら」
「それでな」
「嬉しく筈がないわ、これからも斬新な演出を取り入れて行くわよ」
 今回だけに限らずというのだ。
「あちこちからね」
「そうしような、ところでな」
 ここでだ、オズマがジュリアにあることを問うた。
「あのナバホ族の服の名前だけれどな」
「それのことね」
「ずっとただナバホ族の服って言ってたけれど正しい名前何ていうんだ?」
「ナバホ=ビルよ」
 ジュリアはオズマにすぐに答えた。
「あの服の名前はね」
「そうか、ナバホ=ビルか」
「そう呼ぶのよ」
「面白い名前だな」
「そうかしら」
「ああ、バッファロー=ビルを思い出してさ」 
 ドロシーは笑ってジュリアに答えた。
「面白いって思ったよ」
「バッファロー=ビルはガンマンだけれどね」
「けれど同じ西部劇だろ」
「だから面白いっていうのね」
「何かな」
 オズマはビール片手にジュリアに笑って言った、そしてハンバーガーやフライドチキンも食べるのだった。四人はアメリカにいつつこれまで顧みなかったアメリカを受け入れたことについてだ、その中で思うのだった。
「いや、これもいいよな」
「こうしたアメリカも」
「ネイティブもまたアメリカで」
「いいものよね」
「私もそれがわかったわ、合衆国は沢山のものがその中にある」
 ジュリアも言うのだった、四人と共に。
「そこに答えがある場合もあるのよ」
「あたし達みたいに」
 四人も応える、そしてだった。
 ジュリアと共に五人で成功を祝うのだった、ナバホ族に感謝しながら。


ナバホ=ビル   完


                       
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