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リエン
第三章
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 スカートは帯状で腰で穿いている、長さは膝までで幅の異なる布をつなぎ合わせて作られている。オレンジに赤、青、黄色、緑と様々な色で幾つもの段になっていてそれぞれの段が鮮やかで見事な模様になっている。
 首からは金や銀の丸や三角の装飾品がかけられ手首や足首もそれで飾っている。髪は皆長く帽子は赤地で黄色や紫、黒で帯状の模様が入り布の飾りが付いている。
 その民族衣装、特にリエンというスカートを見てだ、彼は言ったのだ。
「凄いね」
「奇麗だね」
 蒼仁も息を飲んで言った。
「これは」
「そうだね、本当に」
「あの、私達は」
 ここでだ、女の子達も赤忠達に言って来た。
「リー族でして」
「今日は民族衣装を着てきました」
 女の子達もこう彼等に話した。
「今日は宜しくお願いします」
「楽しくお話しましょう」
「こちらこそ」
「宜しくね」
 赤忠達も応える、そしてだった。
 お互いに料理とお茶、酒を楽しみながらだった。一行は合コンをはじめた。合コンは楽しく満足のいくものだった。
 だが、だ。合コンの後でだ。
 赤忠は帰り道にだ、蒼仁と共に歩きつつだった。
 しまったという顔になってだ、彼に言った。
「楽しかったけれど」
「相手の娘はだね」
「うん、決められなかったよ」
 言うのはこのことだった。
「どうもね」
「僕もだよ」
「リエンに気を取られてね」
「いや、そちらばかり見て」
 それでだったのだ。
「女の子と話してもね」
「女の子よりもね」
「服や装飾品にばかり目がいってね」
「とてもね」
「女の子までは」
「目がいなかったよ」
 苦い笑いで言うのだった、二人で。
「とても」
「全くだね、僕もだよ」
「あの服が見事過ぎて」
「とてもね」
「女の子達も可愛い筈なのに」
 それでもだったのだ。
「見たものはあの服と装飾品ばかりで」
「そっちにばかりだったね」
「確かリー族の工藝品とか織物はね」
 ここでだ、赤忠は子供の頃聞いたことを思い出しだった。蒼仁に話した。
「皇帝に献上されていたんだよ」
「出来があまりにもいいからだね」
「そうなんだよ」
「確かに凄かったね」
 蒼仁も頷いて答えた、彼の言葉に。
「あれはね」
「そうだね、本当に」
「それは僕もわかるよ」
 リー族の織物、そして工芸の素晴らしさがだ。
「この目で見たからこそね」
「そうだね」
「あれで商売したら儲かるよ」
「皇帝に献上していたというのは伊達じゃないし」
「それだけのものがあるね」
「全くだよ」
 こう話すのだった、そして。
 二人でだ、こうそれぞれ言った。
「服とかばかり見てね」
「女の子には目がいなかった」
「合コンとしてはね」
「本末転倒だよ」
 全く以て、という
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