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元虐められっ子の学園生活
閑話ノ1 バイト風景
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「お疲れ九十九」

「ああ、紗希さん。今から?」

裏口から入ってきた紗希さんが、片手を上げて入ってくる。

「そう。ねぇ、さっきの客って…」

「ああ…”業炎”で轟沈」

「頼んだ辺りで勇者だよ」

「そんなに辛いか?」

「辛いなんて者じゃないよ。あれを完食するのあんたしかいないから」

「ぐ………」

確かに、作った本人が食べられなければ意味がないからな。

「2名様ご来店でーす」

「川崎入ります」

「俺もやっちゃうか……」

再び食器に手を伸ばして、シンクに流していく。
前まで無かった洗浄機もあるお陰か、大分楽できているのは良いことなのだろう。
しかし厨房が俺一人と言うのは寂しさが感じられる。
誰かもう一人雇っても良いんじゃないかと店長に相談したところ、「だって誰も九十九君のスピードに付いていけないんだもん」とのこと。
良い歳した人が「もん」を使うのはどうかと思うのだが、確かにそうなのだろう。
前まで来ていたバイトの人も、直ぐにやめてしまった次第である。

「オーダー入るよ。
極炎炒飯1、三日月のパンツェッタ1……タンカ用意した方が良いんじゃない?」

「……嘘だろ……?」

まさか”極炎”をオーダーする客がいるなんて…!

「死んだりしないよな?俺は食えるけど…」

「今度こそクレーム来そうだけど…」

「………とりあえず作るよ…」

俺は作業に取りかかった。
当店には辛さに別けて段階がある。
桃色から始まり、炎熱、爆熱、業炎、極炎である。
因みにこの業炎と極炎の間が明らかに激しいと、これを食した店長は語る。

「極炎上がり……紗希さ〜ん」

「はいはい」

カウンターに置いた件の料理を持っていく紗希さん。
取り合えず三日月に取りかかろうと、これから響くであろう悲鳴を覚悟する。

客席からは『止めときなよキリト君…』『大丈夫だって!行ける行ける!』
と聞こえてくるが、やはり止めた方がいいのではと思考が廻る。

「う…………!」

来た!?

「うんめぇええええ!」

………………………………………………………………………え?
店内は、少しの静寂に包まれた。

「き、聞き間違いかな?今美味いって……聞こえたような……」

「気のせいじゃ無いから……」

そんな馬鹿な…あれは俺しか完食することが出来なかった代物だぞ…。
あれを完食するなんてどこの猛者だ…?
俺は意を決して厨房から除いてみることにした。




「すげェ上手いぞこれ!」

「私には赤を通り越して緑にしか見えないんだけど……」

まぁ世界一辛いと言われる香辛料を使ったからな…。

「アスナも食べてみろよ!」

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