暁 〜小説投稿サイト〜
無欠の刃
下忍編
新術
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 中忍試験の第一試合が始まる少し前、試験会場の近くの森の中で、うずまきカトナは佇んでいた。
 そのすぐそばには、彼女を守る様に、うちはサスケが近くの木にもたれかかって様子をうかがっている。
 カトナはまっすぐ持っている大太刀を目の前にある木に突き付けながら、目を閉じて、自分の体の中にあるチャクラをかき集めていく。
 そして十分に集まったと思ったところで、なるべく力を抜きながら、自分の右足に火の性質を纏わせたチャクラ、自分の左手に風の性質を纏わせたチャクラ、自分の右手に雷の性質を纏わせたチャクラ、自分の左足に水の性質を纏わせたチャクラ、額に土の性質を纏わせたチャクラで五芒星を描くイメージする。
 互いが互いを効果を及ぼしあう。五行のイメージを怠ることなく、それでいてチャクラの量は一定。
 そのイメージを得てから数秒して、カトナのチャクラが弾ける。
 ぱちり、という音と共に、彼女の体にとりまいていた、薄く淡い青のチャクラが、白銀の色になっていく。
 ふぅ、とカトナは息を吐くと共に、抜き放った大太刀を振り回し、一歩踏み出す。
 いつもとは段違いの怪力で振るわれた大太刀は、その風圧でも根こそぎ近くにあった木が倒れていく。
 ぽかんと、呆気にとられたようにそれを見ていたカトナは、困ったように自分の術を見てもらっていたサスケを見た。サスケもまた、驚いたように目を瞬かせたが、すぐさまいつもの冷静を取り戻し、尋ねる。

「…それが新しい術か」
「うん」
「何分持つんだ?」

 体の奥から溢れてくるチャクラを気をつけながら、外に逃がしたカトナは、その言葉に答えを返すより前に、胸のあたりを押さえ、苦しさをやり過ごす。
 チャクラを活性化させて使うこの術は、カトナ自身の体にも負担をかけやすい。今は少しの苦しさを感じる程度で済んだが、時間を長くかければかけるほど、人体に被害がきやすい。
 カトナの体の限界は15分程度だろうが、後遺症を残らない程度のことを考えて答えを返す。

「…もって、10分」
「なんだ、意外と短いな」

 素直な感想を漏らしたサスケに、むっと頬を膨らませたカトナは、びしりと指を指し示し、ぶっきらぼうに言う。

 「サスケが使ったら、二秒」

 その言葉に、サスケは不思議そうに首をかしげた。

 「二秒しか持たないのか。総量が大きくなった方が、時間が保つんじゃねぇか?」

 その言葉に、カトナは困ったように首をかしげた。
 彼女が新しく作った『五行の術』は、基本的構造で言えば、火→風→雷→水→土の順にチャクラの循環を繰り返すことで、お互いに及ぶ力の範囲を上げていく。五行と全く同じとまではいかないが、大体の及びあう効果を再現は出来ている。
 術の効果は一目瞭然。術に使用した分のチャクラが、時間と比例する
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ