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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―封印・降臨―
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「大変です!」

 エドと亮がオブライエンとの合流を決めた直後、屋敷へと一人の人物が駆け込んできた。偵察部隊として外に出ていた《戦士ラーズ》であり、その尋常ではない雰囲気にエドと亮は警戒する。

「どうした?」

「覇王軍です。どうやらこの隠れ家がバレたようです……」

 その報告を受けてからの二人の行動は早かった。収容所から助けたデュエリストたちや、その他協力者たちへと素早く連絡を済ませると、すぐさま屋敷からの脱出準備を整えていく。偵察部隊の戦士ラーズもまた、自分の役割を自覚して仲間を呼んで待機する。

「ではカイザー、頼んだぞ」

「ああ。オブライエンの基地で落ち合おう」

 偵察部隊と一部の精鋭部隊を率いて、迫り来る覇王軍にこちらから奇襲をかけるのはカイザー。非戦闘員を含む者と大多数の戦力を率い、ここからの脱出を優先するのがエド。事前に決めてあった通りに行動し、隠れ家として活用していた屋敷を亮は飛びだしていく。

 四方は全て森で覆われており、夜が明けることはないこの世界ならば脱出は容易だろう。しかし、そのことは覇王軍も百も承知の筈であり、何の策もなく攻め込んで来るはずはない。屋敷から飛び出した亮は、木の奥から何かが自分たちを見ていることに気づく。

「サイバー・ドラゴン! エヴォリューション・バースト!」

 迷わず召喚された亮のエースモンスターの攻撃に、木から隠れ家の屋敷を監視していた《ダークファミリア》が消滅する。《ダークファミリア》は覇王軍の幹部たちが持つ使い魔であり、もうすぐそこまで覇王軍の手が迫っていることを示していた。

「……尾行されていたようだな」

 伝令へと急いだ《戦士ラーズ》だったが、その背中を使い魔が観察していることは気づいていなかった。しかして彼を糾弾している暇はなく、陽動と奇襲を担当する亮たちはすぐさま行動する。エドたちが逃げ切るまで耐えるか、エドたちを追う戦力がなくなるまで叩きのめすか、そのどちらかだ。

 亮が選択するのは、もちろん叩きのめす方である。もちろん、追ってくる覇王軍の全てを殲滅しようとしては、戦力の関係上命がいくつあっても足りないので、トップのみを狙うという戦術をとった。部隊のトップである覇王軍の幹部を倒せれば、その部隊の戦力は瓦解し覇王軍自体の戦力も大きく削ることが出来る。

 そうと決めれば話は早い。亮たちは慎重に森を進み、覇王軍たちの前線基地を探していく。多かれ少なかれ、一部隊を動かすのならば必ずしも前線基地というものは必要であり、そこを潰すことが出来れば部隊を潰すことと同義だ。司令官である幹部もいるのならば、どちらも倒せれば一石二鳥というべきか。

 そして自分たちの力を誇示したい覇王軍の軍勢の関係上、その前線基地は必然的に巨大なものになる
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