暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
ワールド・カタストロフ〜クロスクエスト〜
Round《5》〜アクセル・ダンス〜
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
もろに喰らって、コロシアムの壁際まで吹っ飛ぶ。HPの総量は残り八割まで落ち込んだ。

「ぐっ……」
「まだまだ! 終わらないぜ!」

 シャオンは容赦なく追撃する。

 《神速剣》ソードスキル、《オーバーフリーズライザー》。六芒星を描く斬撃が、リュウを切り裂かんと奔り出す。

 だがそれを、リュウが黙って見ているわけがない。スキルディレイが解除されたリュウは、その両剣をシャオンめがけて突き出した。
 
 威力は低いが、確定で敵を吹き飛ばして隙を生み出す《双刀》ソードスキル、《エルレイン》だ。

 システムすら追いつかないとされる速さで、それを避けるシャオン。しかしリュウのねらいは、シャオンを吹き飛ばすことではない。

 どれだけ一瞬の出来事であっても、シャオンを『移動させる』ことだ。これによって彼の行うアクションには隙ができ、リュウが脱出しやすくなる。

 もちろん、シャオンのスピードの前では、どれだけ逃げようが一瞬で追いすがられてしまうだろう。だからそれを、真っ向から迎え撃つための準備だ。

「疾ィッ!!」
「……ゼァァッ!!」

 シャオンの二刀と、リュウの両剣が同時に光を纏う。

 シャオンのそれは、《連二刀流》上位ソードスキル、《ソードダンス・オーバースピード》のモノ。
 対するリュウのそれは、《双刀》立体軌道ソードスキル、《トーデス・シュトラーフェ》。

 シャオンの剣技は三十連撃を超える。嵐のような斬撃が、リュウの剣の竜巻に巻き込まれ、弾かれあう。

 加速する剣戟の応酬。すでに仮想の大気すらが切り裂かれ、バラバラになっていく域へ。速く。疾く。

 そして――――シャオンの剣戟すべてが出終わるのとほとんど同時に、リュウも斬撃をストップさせる。

 即座に愛剣を構え直す両者。これから彼らが打ち出すのは、他のそれとは一線を画す、彼らのもつ中でも最上位に属するソードスキルたち。

 加速しすぎた故か。停滞して、スローモーションのように見えるその空間の中で、勇士たちは勝者を決めるべく、動き出す。

「……光速(ひかり)が奏でしこの歌は、六刃(むつば)の聖なる協奏曲!
  《ライトスピード・ディバインセクステッド》!!」
「喰らえ……ッ! 《カタストロフィ・ブレイク》!!」

 方や《連二刀流》と《神速剣》の複合、108連撃の斬撃の歌。
 方や《双刀》最上位ソードスキル、大威力に加えて、五パーセントの確率で即死判定の一撃。

 果たして――――

 結果は、意外な形を見せた。

 まず、想像を絶する速さで叩き込まれたシャオンの斬撃が、リュウのHPを丸ごと削り去った。
 ほぼ同時に、リュウの斬撃がシャオンにヒット。幸運少年の名の通り、たった五パーセントの確立
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ