暁 〜小説投稿サイト〜
転生赤龍帝のマフィアな生活
四十七話:ヤンデレイリナちゃん
[1/6]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
トンファーから紫色の炎を噴出させて俺達を睨むイリナ。その周りには無数の『雲ハリネズミ(ポルコスピーノ・ヌーヴォラ)』が浮いており俺達を虎視眈々と狙っている。そして俺達を取り囲む鉄格子は雲の炎で今もなお増殖し続けその強度を上げ続けている。

俺は手を胃の辺りにおきながらそんな現状を打破すべく頭を回す。まず、考えられる現状打破の方法は三つある。一つ目は正攻法で真正面からイリナを破ってここから出て行くという事だ。こっちは幸いにもヴァリアー幹部が全員そろっているんだ。普通に考えりゃ、こっちの方が圧倒的に有利だ。………普通に考えればな。



「ふふふ……イッセー君との殺し愛、楽しみだなあ。群れてる邪魔な奴らは消しちゃってもいいよね? この空間には私とイッセー君だけが居ればいいんだもの。
私とイッセー君以外―――ミンナ、キエチャエバ、イインダ」



勝てる気がしねえよ! 何だあれ、ヤンデレを突き詰めていった結果、死神にでもなったのか!? 滲み出る殺気というか、死の気配で足の震えが止まらない。この俺ともあろうものがまさか、生まれたての小鹿みたいな状況になる時が来るとはな…っ。

ダメだ、一つ目の方法はどう考えても無理だ、最悪全滅の恐れすらある。となると、二つ目の方法だな。俺達は鉄格子に囲まれているとはいえ、全く逃げ場所が無いというわけじゃねえんだ。百八十度を囲まれているが逃げ場所は存在する。それは足元だ。

ここは一階じゃねえから床を破壊すれば下の階に降りられるはずだ。そこから逃げれば何とか脱出は可能だ。だが、これにも問題は生じる。そもそもイリナがキレているのは俺らが校舎を壊したからだ。それなのにまた壊したらどうなる? さらにキレて人として越えてはいけない何かを越えかねねえぞ。

つまり俺が取るべきは第三の方法だ。そいつは―――


「俺が道を開く、てめえらは逃げろ!」

「なっ!? 何考えてんだクソボス! そういうのは部下の仕事だろうがあああっ!」

「とっとと行け。てめえらが居ると邪魔なんだよ。これは命令だ―――行け!」


俺は雨の炎と憤怒の炎を混ぜた弾丸を放ち俺達を取り囲んでいた鉄格子の一部を吹き飛ばす。鉄格子は雨の炎の鎮静の効果で一時的に増殖を止められたせいで修復が出来ずに道が開けっ放しになる。俺はその道に向けて幹部たちを放り棄てていく。


「イッセー君は逃げないの?」

「敵前逃亡はしねえ」

「ふふふ、やっぱりイッセー君はカッコイイね」


そう言って少し頬を赤らめながら笑う、イリナ。こうやってみると普通の可愛い女の子に見えるから本当に不思議だ。ただし、全ては肌に痛みを感じる程の濃厚な殺気により台無しになっているがな。

だからと言って逃げ出すわけにはいかない。俺の背中に
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ