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少年は旅行をするようです
少年は加速するようです Round3
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Side ハルユキ

明くる日の放課後、一年の中学生活で殆ど足を踏み入れた事のない区域を

目指して歩いていた。H型をした校舎の中央、運動棟にある道場に行く為だ。

道行く道着や体育着を着た生徒達が僕の方をチラチラ見てくる。

それもそうだろう、こんな丸っこい、(相撲を除けば)運動に縁のなさそうなのが

歩いていれば僕だって見てしまうだろう・・・と、考える所だ。


「へー!この学校弓道部あるんだ。入部()いろっかなぁ。」

「え、と……そこそこ強いらしいから、まぁ、いいんじゃないかなーと。」


そう、一人で歩いていればね!!

さっきから視線は横の愁磨君を見た後、僕に怪訝な目を向けてくる。

昨日は女子の制服だったのに今日は男子の制服を着ている、っていうか男子らしい

ので今が正しいんだけど、ぶっちゃけ違和感しかない。


「うん、考えとくよー。でも剣道とかフェンシング部あるんだから槍術部とか

あっても面白そうだよね。ノワール喜ぶだろうな。」


改めて(横目で)見る。僕よりも低い背、雪のように白い肌と長い髪、

男子の制服はぶかぶかで袖は肘辺りまで折られている上、裾はミニスカートくらい

余っている始末だけど、まぁ、非常に可愛らしい訳で・・・。


「さ、流石に槍は危ないんじゃないかなー、なんて。」

「薙刀とかも部活あるんだし変わらないと思うけどなぁ……。」


不満気に言って、トコトコ僕の横を歩く。

そもそもとして何故彼がここにいるのかと言うと、昨日の今日で転校して来やが、

・・・もとい、転校して来たのだ。お姉さん(?)の方は先輩と一緒らしい。

と、会話もなくなって気まずくなった所で武道場の入り口についた。

中からは控えめの声援と、乾いた打撃音が聞こえてくる。靴を脱いで中に入り

見回すと、直ぐに見慣れたショートヘアを見つけ小走りで近づく。


「ハル、おっそーい!タっくんもう一試合やっちゃったわよ!」

「ごめんねぇチユちゃん、ちょろっと案内して貰ってたの〜。」

「あ、そういう意味じゃないって!うん!愁磨君も来てくれてありがと!」

「う〜ぅん、興味もあったしねぇ。」


振り向くや否や口を尖らせ小声で文句を言ってくるチユに、一瞬で猫を被り、

えへらっ、と受け答えする。・・・こやつ、侮れん。

ガールズ(?)トークし始めた二人から目を離し、選手の方を見回すと

凛とした佇まいの幼なじみであるタクを見つけられた。あっちも僕を見つけたようで、

小さく手を振って来たのに頷いて返し、改めて試合場に目を向ける。


「キィェエエエエエエエ!!」

「ドォオオオオオオオオ!!」

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