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パットン
3部分:第三章
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「あれだけ暴れ回ってくれたんだからな」
「私実はパットン将軍の下にいたことがあります」
 こんなことを言う者も出て来た。
「いや、始終怒鳴って怒って罵倒して殴ってでして」
「本当にそうだったんだな」
「凄かったですよ」
 そのパットン自身についての話にもなるのだった。
「何かっていうと癇癪起こして。それでいて変に細かくて」
「いつもヘルメットもブーツもピカピカだったそうだな」
「はい、そうです」
 実はそうなのだった。パットンという男は。
「自分をハンニバルの生まれ変わりだとか言ってそれで自信満々で」
「何か皆あいつについては同じことを言うな」
「そんな人でした。けれど頼りにはなりましたよ」
 パットンのことを話すその彼の顔がにこやかなものになった。
「軍をグイグイと引っ張って勝たせてくれたんですから」
「じゃあ今度のパットンにもそれを期待するか」
「そうですね」
 自然と人間のパットンと戦車のパットンが彼等の中で一つになっていた。
「この戦争にも勝たせてもらいましょう」
「絶対にな」
 そんな話をしているうちにその仁川上陸となった。まずはこれは北朝鮮軍に対する奇襲になった。
「撃て!容赦はするな!」
「北朝鮮の奴等を逃がすな!」
 英語、そしてトルコ語も混ざっていた。
「この上陸何としても成功させろ!」
「アカを半島から追い出せ!」
 そんな言葉が叫ばれながらアメリカ軍独特の大規模な空爆が行われ海兵隊が上陸する。まずはこの上陸は成功に終わった。

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