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(仮称)問題児たちと一緒に転生者が二人ほど箱庭に来るそうですよ?
弟子は虎と、師匠は忌み子と出会うそうですよ?
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「ジン坊ちゃーん! 新しい方を連れてきましたよー!」


 その声にはっと顔を上げたのは、ノーネーム≠フリーダー、ジン=ラッセルという少年だった。ジン達のコミュニティが崖っぷちにあるのは、子供であるジンがリーダーを名乗っていることからもわかる。
 そして今日は、コミュニティの現状を打破し得る人材の確保を黒ウサギに頼んでいた。黒ウサギの後ろには、久遠、春日部、フレメダ。以上の三人が歩いていた。


「お帰り、黒ウサギ。そちらの御三方が?」
「はいな、こちらの御五名様(おんごめいさま)が――――て、あれ? あと二人いませんでしたっけ? ちょっと目つきが悪くて、かなり口が悪くて、全身から問題児≠チてオーラを放っている女性と、変わった仮面を付けて、狼と共にいた和装の御方が」
「ああ、逆廻さんならちょっと世界の果てを見てくるぜ!≠ニ言って駆け出して行ったわ。あっちの方に」


 久遠の指した先には断崖絶壁がそびえ立っていた。それを見た黒ウサギは、ウサ耳を逆立てて叫んだ。


「な、なんで止めてくれなかったんですか!」
「止めてくれるなよ≠ニ言われたもの」
「ならどうして黒ウサギに教えてくださらなっかったのですか!?」
「黒ウサギには言うなよ≠ニ言われたから」
「嘘です、絶対嘘です!実は面倒だっただけでしょう、お二人さん!」
「「うん」」
「そ、それではあの変わった仮面を付けてる和装の御方は!?」
『飛k――藤丸さんなら結局、……ちょっと行ってくる≠チて言って逆廻とは違う方向に的盧さんと一緒に駆けてった訳だ』


 それを聞いた黒ウサギは地面に手を付き、崩れ落ちた。そんな黒ウサギとは対照に、ジンは顔色を変えた。


「た、大変です! 世界の果て≠ノはギフトゲームのために野放しにされている幻獣が!」
「幻獣?」
「は、はい。ギフトを持った獣を指す言葉で、特に世界の果て&t近には強力なギフトを持ったものがいます。出くわせば最後、とても人間では太刀打ち出来ません」
「あら、それは残念。もう彼女達はゲームオーバー?」
「ゲーム参加前にゲームオーバー? ……斬新?」
「そんな斬新な出落ちなんてノーサンキューなのデスヨ!! はあ……ジン坊ちゃん。申し訳ありませんが、御三方の御案内をお願いしてもよろしいですか」
「黒ウサギはどうするの?」
「問題児二名を捕まえて参ります。――箱庭の貴族≠ニ謳われる黒ウサギを馬鹿にしたことを、骨の髄まで後悔させてやります!」


 そう言うと、黒ウサギの髪が紅く染まり―――

「一刻程で戻ります。皆さんはゆっくりと箱庭ライフを御堪能ございませ!」

 ―――弾丸の様に跳び去っていった。


「………。箱庭の兎は随分速く跳ねられるのね
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