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ああっ女神さまっ 〜明日への翼〜
明日への翼
01 RAIN OF LOVE
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いの簡素な部屋だ。天上の蛍光灯が冷たい光を投げていた。中央にベッドかひとつ。左の壁には背もたれのない長い椅子。
 ベッドの上掛けが人の形にもりあがっている。
 顔に白い布。
 室内には恵ともう一人女性が立っていた。
 三嶋沙夜子だった。彼女は額に包帯を巻いている。
 泣いている。涙が頬を流れ落ちていた。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
 小さく呟くような声。
 ウルドはその人物の意外さよりも目の前のベッドに引きつけられていた。
「ほんとうに……螢一なの……」
 間違いであって欲しい。
 最後の望みは恵の手で破られた。
 取り除かれた白い布の下の顔は。
「螢一……」
 歩み寄ったスクルドが上掛けの上から彼の身体をゆすった。
「なにふざけているのよ!馬鹿な事やっているんじゃないわよっ、冗談にも程があるわ!怒るからね!」
 喚き散らし、螢一の身体をゆする。
 肩をウルドがそっと押さえた。
「ウルド……」
 見上げる彼女は首を振った。
 弾けるように泣き声が部屋の中に響いた。
 人の命の脆さをウルドはよく知っている。
 だが、あまりにも突然ではないか。
 たった数時間前まで彼は元気にしていたのだ。
 幸せそうに笑う妹の傍には常に螢一がいた。
「……説明して欲しいわね」
 ウルドはやっとの事で咽の奥から言葉を搾り出した。
 握りしめた拳が震えている。
「森里君!」
 螢一の勤めるワールウインドのオーナー、千尋が部屋の中に飛び込んできた。
 肩で息を切らしている。
 千尋はベットの上の螢一を一目見るなり硬直してしまった。
「本当なんだ……なんてこと、こんな……」
 普段の彼女を知っている者が見たら眼を疑うほど取り乱している。
 ポツリ、ぽつりと恵が話し始めた。
「私……バイトに行くために家の出たの。走っているうちに咽が渇いてきたから、コンビニに寄ったのね。前の駐車場にワールウインドの軽トラが停まっていたから、ああ、螢ちゃんとベルダンディーも来ているんだなって、思ったの。でも、店の中から出てきたのは螢ちゃん一人だった」
「仕方なかったのよ。お店忙しかったし、簡単な配達だけの仕事だったから森里君だけでもいいと思って。私、ついでに今月のモータースポーツの雑誌買ってきてって言いつけたの。たぶん森里君は雑誌を買う為にコンビニに寄ったんだと思う」
 声を詰まらせる千尋。
 恵が続ける。

「螢ちゃん、どうしたの?今日は一人?」
「いつも二人ってわけじゃないよ」
「うふ……そうね、でもいつも二人でいる所を見ているから、螢ちゃん一人だとなんか物足りないな」
「おいおい、どういう意味だよそりゃ」
「あ、ごめん。べつに螢ちゃんが魅力ないとかベルダンディーが美人過ぎるとかそんな事言ってないのよ」
「言
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