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英雄は誰がために立つ
Life8 秒読み
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から――――」


 −Interlude−


 授業参観が行われた次の日の放課後、士郎は自分が身を置いている弓道部に来て後輩たちの指導をしていた。

 事の始まりは8年前、弓道は一般的には発育上の問題から中学生からの方が良いとされているが、一応体験コーナーの様なイベントがあった処で、試しにと無理矢理勧められたところ一射目で中でて周囲を驚かせてしまいその上、射法八節(流派や個人の考え・体格・思想などにより異なる)まで完璧と言うかまるで一つの芸術品の如く美しかったと評されてしまい、神童顕現などと騒がれたが弓道は初めてと言って断ろうとしたのが不味かったのか、その才能を無駄にすべきでは無いと周りに担がれてなし崩し的逆らえない状況に陥った。

 士郎の弓は弓道と言うより弓術だが、周りの素人にはその辺の違いなど分かる訳も無くその後も、辞めるに辞められないまま期待に応える様に快進撃を続けていき現在すべての出場した大会で、団体戦では仲間たちに指導しながら優勝に導き、個人でも他の追随を許さぬと言わんばかりに優勝していきあらゆる大会を総なめにしていったのだった。

 しかし、過ぎた才能を妬む存在と言う者達はいつの世も必ず現れるもので、何とか引きずり落とせないかと策略を巡らせようとした処で、藤村組自体を目障りに思うある公式組織の一部と手を組む事に成り八百長関係で攻撃しようとなったのだが、士郎の規格外級の観察眼によりその動きを察知されて策略発動直前に決定的証拠を掴まれてしまい、その公式組織の一部は組織から正式な解雇になり散りじりに地方に飛ばされ、士郎の才能を妬んだ者達は永久に大会出場権を剥奪と停学や退学どころか、逮捕とな言う結果となった。

 閑話休題。

 そんな士郎が熱心に後輩たちに指導している弓道部に、お客が現れた。

 「すみません、藤村ぶ―――先輩。真羅副会長がお見えになっているんですけど?」

 弓道場の入り口の一番近くに居た女子部員が、士郎に声をを掛けた。

 「真羅が?わかった。じゃあ、行ってくるが、しっかりしてくれ。部長はもうお前なんだぞ?苅山」
 「は、はいぃぃ」

 士郎の檄にシュンとする、苅山と呼ばれた2年女子生徒の新部長。

 「あー、別に怒った訳じゃ無いんだ。悪かったよ」

 そのまま、苅山の頭の上に掌を乗せて撫でる士郎。

 「はうぅぅ・・・って、はっ!や、辞めてください藤村ぶ―――先輩!皆にこれじゃあ、それこそ示しがつきません!」

 士郎に撫でられるのは至極の気持ちよさだったのか、顔を赤めるも直に直に取り繕い士郎から後ろに一歩下がる苅山。

 「あっ、悪い!やっぱり嫌だったよな?」

 最近の思春期真っ盛りの女の子は、髪のセットが崩れるなどの理由から頭を撫でられるのは嫌が
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