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ジャガイモを人気者に
第五章

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「だからな」
「今回もですね」
「これでいいのですね」
「陛下のされることに間違いはない」
 こうも言う将校だった。
「だから我々は任を全うしよう」
「はい、それでは」
「このまま」
 兵達も将校の言葉に頷く、そうしてだった。
 民達はジャガイモを密かに掘ってそうして王が言ったそのことを調理して食べてみた、そのうえで食べるとだった。
「美味いな」
「ああ、美味いよこれ」
「これがジャガイモか」
「ジャガイモの味か」
 驚いて言うのだった、そしてここでだった。
 王はジャガイモを誰もが食べていいとした、こうしてジャガイモは誰もが食べる様になった。それも美味しく。
 この状況を受けてだ、廷臣達は王に言った。
「誰もがです」
「ジャガイモを食べています」
「それも美味く」
「畑にジャガイモを栽培してです」
「荒地にも何処にでも」
「そうか」
 王はサンスーシーにおいて廷臣達の報を聞いてまずは一言出した、そしてだった。
 そのうえでだ、こうも言ったのだった。
「余の読み通りだ」
「だからですね」
「貴族だけに食べていいとされたのですね」
「その通りだ」
 まさにというのだ。
「そしてこの様になった」
「その結果民の腹は満腹になっています」
「ジャガイモの為に」
「我々も食べていますが」
「実に美味いです」
「美味くて何処でも育つとは最高ではないか」
 王はジャガイモへの絶賛も欠かさなかった、それが言葉にも出ていた。
「それを食べない手はない」
「しかもそれで腹が膨らみますし」
「言うことはないですね」
「これからもだ、食べるべきだ」
 ジャガイモをというのだ。
「当然余も食べる」
「では我々も」
「誰もが」
「ジャガイモは必ずプロイセンを栄えさせる」
 これまで以上にというのだ。
「それを楽しみにしよう」
「まずは腹を満たすこと」
「全てはそれからですね」
「余にしても同じだ、では今日も食べよう」
 その薄い唇を微かにはあるが綻ばさせてだ、こうも言った王だった。
 そうして王自身もジャガイモを食べるのだった、そしてこのジャガイモが実際にプロイセンの国力を飛躍的に上げて後にこの国をドイツ帝国の軸にさせた。全てはフリードリヒ二世の考えからはじまったことだった。


ジャガイモを人気者に   完


                            2014・10・18
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