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ソードアート・オンライン〜十一番目のユニークスキル〜
唯一無二の不確定因子
第二十三話 思い出(後編)
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して放り投げられたのがを根に持っていたらしく、私が来る前に相当準備をしていた。
 それに気づかず、調子に乗って、森の中に逃げ込んだリオンを追った私は、それに見事引っかかった。
 本当に根に持っていたのだろう。罠からそれがビシバシ伝わった。飛んでくる丸太、落とし穴、地中に隠した音爆弾、閃光弾、上から降ってくるタライ、水、虫、その他・・・・・・etc
 本当によくここまで準備したなと、褒めてあげられるくらいだった。

 とまあ、楽しむだけ楽しんだ私たちは、湖のほとりへ戻り、色々なことを話した。また時間を忘れるくらい長く。
 でも、そんな楽しい時間に終わりが告げられた・・・・・・彼との本当の意味での別れ。
 リオンと話いる最中、電子音とともに、一通のメールが私の元に届いた。開いたそこには――――

「どうした、アリス?」

「・・・・・・明日からあまり、ここに来れなくなるかも知れません」

 彼に静かに告げた。メールはアスナから。内容はボスの攻略会議についてと、謝罪をしたいと言うものだった。謝罪をしたいというメールは、前々から数通来ていたが、無視をしていた。居場所も追跡できないようにブロックしておいた。

 だが、もう潮時だろう。いくらなんでも遊び過ぎた上に、フロアボスの討伐には、さすがに出なければならないだろう。血盟騎士団という枠組みにある以上、これは義務みたいなものである。その上、これ以上は遊べば、他プレイヤーとの差もでてしまう。名残惜しいが彼と会うことはもう少なくなるだろう。
 私は、少し悲しい気持ちで彼を見た。すると

「やっぱ、忙しいよな。まあそろそろ終わりかと思って、今日は大奮発したんだけど、正解だったみたいだな」

 予想外の表情と言葉がそこにはあった。そう、リオンは怒る表情でも、不満そうな表情でも、悲しそうな表情でもなく、いつも通りの、楽しそうな表情を浮かべながら、そんなことを言ってくれたのだ。驚きのあまり、なにも言えずにいると、彼は続けてこう言った。



「それでも、またなにか、辛いことがあったらここに来い。そんなことぶっ飛ぶくらい楽しませてやる」


 私の頬を、瞳から零れた熱いものが覆った。
 やはり、この人は私が抱えていたものに気付いていたのだろう。どうして彼が私の事情を知っていたのかはわからない。もしかすると、顔に出てたのかもしれない。だとしても、彼は深くそのことに触れず、ただ私が楽しく感じるように、嫌なことを一時でも忘れられるようにしてくれていた。

 心が熱くなっていくのを感じた。なんだろう。この湧き上がってくるような感情は、不思議と心地が良い。私は、目を閉じてその感情を味わった。温かい、そう感じた時。
 手元のウィンドウから電子音が響いた。見ると、そこには。



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