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【IS】百万回負けても、諦めない。
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「……今日も負けた」
「負けたわねぇ」

エネルギー切れで這いつくばる我が打鉄ちゃんの真横に、水色の女子が舞い降りてあっけらかんと言う。もう40回は負けたと思う。

ヘロぅエブリワン。マイネームイズ浅田(あさだ)大成(たいせい)
男性IS操縦者がどうとか言う理由でIS学園などという謎の場所に叩きこまれた俺は、政府の命令でISの実戦訓練をひたすらやらされていた。

なんでも俺の専用機を作るらしい。そんなもん要らん。この訓練用打鉄ちゃんと添い遂げる。
と言っても聞いてくれないのが俺の周囲である。ISに乗って戦うのは結構好きなのだが、大人たちは常識という眼鏡をかけ続けたせいで愛着というものを忘れてしまった古い地球人らしい。俺がどれだけ打鉄ちゃんを可愛がっているかを伝えてもちっともわかってくれない。

そして最終的に出してきた条件がこうだ。

「IS学園の2年生に国家代表の子がいるから、その子に勝ったら打鉄のまんまでええよ」
「ホンマか?」
「ホンマホンマ。まぁ出来りゃの話やけどね(笑)」

という訳で連日連夜その人――楯無という人に勝負を挑んでいるのだが、ちっとも勝てねぇ。
最初は単純に練習不足だったのもあるんだろうが、それを差し引いてもずたぼろ。それから色々と訓練して挑み直すもやっぱりずたぼろ。同級生の一夏と一緒に練習しようかと思ったが、あいつは何故か毎日剣道に明け暮れているので意味なかった。
あいつもうすぐ模擬戦だって言ってたけどISの訓練しなくて大丈夫なんだろうか。でも姉貴が天才だからあいつも天才なのかもしれない。ならどっちにしろあいつはあてに出来ん。

じゃあどうする。真っ当に練習してもとてもじゃないが追い付かないし、何より俺の専用機は既に開発段階に入っているそうなのでこれ以上負けるとタイムオーバーだ。というか、既に開発が始まっている時点で約束が反故にされてる気がするが、それでも約束は約束。

ともすれば、俺の選択肢に残った方法はたった一つしかない。

ひたすら楯無って人と戦って攻略の糸口を見つける。
というか、見つかるまで戦い続ける。
永遠と思えるほどに続くトライ&エラーの修羅の道である。

某鬼畜アクションゲームでは「百万回やられても、負けない」だったが俺の場合は負ける度に敗北数がカウントされるのでそのまま使う事は出来ない。だが、どっちも諦めたらそれで終了という点では共通している。

もうそろそろ練習時間が終わるので、帰ってデータを整理しつつまた打鉄ちゃんをカスタマイズしなければ。
エネルギー切れした打鉄ちゃんからぬるりと脱出して量子化でハンディサイズに戻した所で、楯無って人に話しかけられた。

「ねぇ、貴方って専用機を受け取らないために戦ってるのよね?」
「イエス、ザッツラ
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