暁 〜小説投稿サイト〜
『曹徳の奮闘記』改訂版
第六十話
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話





「無謀にも程があるぞ夏蓮ッ!!」

 伝令からの報告に俺は思わず叫んだ。

「どうする長門ッ!!」

 焔耶が聞いてくる。

「………防ぐしかないだろうな。伝令ッ!! 合肥城にいるクロエと星達を至急呼んでこいッ!!」

「わ、分かりましたッ!!」

 伝令が急いで合肥城に向かう。

「さて………俺達はあれを防ぐか」

 俺は飛んでいる何かの場所を見る。

 飛んでいる何かは人であり、我が袁術軍兵士だった。

「………しかも真っ直ぐこっちに向かっているし………」

 どんたけ暴れているんだ夏蓮は?

「ハアァァァァァッ!!!」

『ギャアアァァァァァーーーッ!!!』

 雪蓮の周りを囲んでいた兵士達が吹き飛ばされる。

 ………何処のバサラやねん。

 別に関西弁使っても仕方ないだろうな。

 まぁそれでも夏蓮は満身創痍と言っていいほど切り傷があり、至るところから血を流している。

「か……母様………」

 駆けつけてきた母親に雪蓮が驚く。

「雪蓮。直ちにこの馬で砦に戻りなさい」

 近くにいた馬を雪蓮に渡す。

「で、でも母様は………」

「私の事はいいから行きなさい」

「で、でも……………」

「いいから行けッ!! 孫伯符ッ!!」

「ッ!? ………分かったわ」

 雪蓮が馬に乗る。

「………決着は御預けのようだな雪蓮」

 俺は去ろうとする雪蓮にそう言った。

「………長門………」

「………本当なら雪蓮を捕縛したかったけど………代わりに夏蓮が戦うみたいだからな」

「長門………後で美羽達に怒られるな」

 焔耶が溜め息を吐いた。

「それは仕方ない。後で罰でも受ける」

 俺は刀を抜く。

「………ありがとう長門。雪蓮、早く行きなさい」

「………母様死なないで」

 雪蓮はそう言って砦に向かって馬を走らせた。

「………そういえば夏蓮。片手が無いのにどうやって兵士を吹き飛ばしたんだ?」

「あぁ、私も氣を使えるからね。氣を槍の先に集めて地面に叩きつけばああなるから」

「………流石は江東の虎………だな」

 ………夏蓮、マジパネェな。

「あら、褒めても何も出ないわよ」

 夏蓮は右手で構える。

「………………」

 俺は牙突で構える。

「あら? クロエちゃんと同じ技は使わないのかしら?」

「片手無いが夏蓮には丁度いいと思わないか?」

「………それもそうね」

『………………』

 俺と夏蓮は何も言わない。

「来ないの?」

「………なら来てやるよ」

 俺は氣を脚の裏に溜めて一気に走り出した。


[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ