暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外18話『空島へ』
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クワはなんで黒いダイヤなんだ?」というチョッパーのふとした疑問に、その動きを止めた。

「……なんで?」
「……なんでって」

 ルフィが首を傾げて、ハントもまた考え込む。

「……」
「……」

 じっと、沈黙。
 急に静かになった二人に対し、チョッパーが純粋な顔で不思議そうに首を傾げて、じっとそれを待つ。

「…………」
「…………」 

 ――もしかして聞いてはいけないことを聞いたのだろうか。

 二人があまりにも渋い顔でじっと黙り込み始めたため、チョッパーがそういう感想を抱いたとき「――だ、ダイヤぐらい固いから?」ぼそりと、ハントが漏らした。 

 ルフィが手を打って「それだ、ハント!」と声を張り上げる。

 ハントの表情やルフィの表情からも、明らかにテキトーに放たれた言葉だったのだが、純粋なチョッパーにはそれを疑う心根を持ち合わせていない。

「へー! そうなのか! オオクワってすごいんだな!」
「だろ! すごいんだよ、オオクワは!」
「おい、それよりもチョッパーが見つけたミヤマが飛んで逃げたぞ!」
「逃がすか!」

 3人ががそろってミヤマを追いかけて走り出す。
 当初のサウスバードを捕まえるという目的を完全に見失ってしまっているあたり、彼ららしいといえば彼ららしいのだが、今回ばかりはそういう遊んでいられる状況ではすぐになくなってしまう。

「ん?」

 網を振り回していた彼らの前にふと落ちてきた黄色い何か。

「……げ」
「蜂の巣だ、逃げろーーー!」

 無数に湧いてきた蜂から慌てて逃げ出す彼らだが、蜂たちを振り切った時には体中に刺されまくった痕が。
 虫に刺された痛みから半べそをかきつつも、蜂を振りほどけたことに対してホッと一息を――

「――ん?」

 着く間もないらしい。
 いきなり彼らの目の前に降ってきたものは、またもや蜂の巣。先ほどと同じように巣からは大量の蜂が飛び出してくる。

「どうなってんだこの森はぁ〜っ!」
「流石におかしいだろっ!」

 全力で逃走しながらも文句を垂れるルフィとハントだったが「あ、ルフィ、ハント! あれ見て!」というチョッパーの声により、首を後ろに向けた。
「鳥?」

 彼らの視線の先にいたものは、ルフィの言葉通りに鳥。
 ジョ〜という独特な鳴き声を森に唄うその鳥こそサウスバード。空島に行くために絶対に捕まえなくてはならない鳥だ。

「あの鳥だ! あいつが巣を落としたんだよ!」
「ジョ〜ジョジョッ――」

 サウスバードが声高にその嘴からなんらかの言葉を発しようとしたとき、サウスバードの前を、何かがよぎった。そのなにかはサウスバードの眼前を通過してサウスバードがとまっていた木の幹に直撃。


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