第一話「交差する世界」
[1/10]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
1,
「………ま」
「…………うま」
「…………」
「とうまっ!!!」
「……う、うにゃ!?」
突然、耳元で響いた声に反応して、上条当麻は目を覚ます。
起きたばかりの寝ぼけ眼をこすりながら、顔を上げると、そこには純白の修道着をまとった少女、インデックスが頭に飼い猫のスフィンクスをちょこんと乗せながら睨んでいた。
「とうま!!いつまで寝てる気なの!?もうお腹がペコペコで背中とくっついちゃいそうなんだよ!」
と、浴槽に顎をのせながら、頬をぷくーっと膨らませるインデックス。
ようやく目が覚めてきた上条は慌てて携帯電話を取り出し時間を確認する。
「げっ!もう8時かよ!」
「そうなんだよ、とうま!!早くごはん作ってよ!」
念のために言っておくが、今日は土曜日で、特に上条は何の用も無い。朝8時という時刻はそれほど慌てて起きる時間じゃないかもしれない。
だが、この居候にとってはそんなものはお構いなしだ。平日だろうが休日だろうが、朝早かろうが何だろうが、お腹がすけば上条に容赦はしない。
「分かった!分かったから今にも噛みつきそうに歯をギラつかせるな!!話せばわかる!!」
このパターンはインデックスに噛まれるパターンだと今までの経験から予測した上条は、すぐさま浴槽から立ち上がり、風呂場から急いで避難する。
「む、おはよう。上条」
そのままキッチンへと入るとリビングのコタツの上から新聞を広げ読んでいる、15センチほどの少女から話しかけられる。オティヌスだ。
服装は無地の長袖シャツにGパンというものになっている。コタツの横には彼女が使っている布団がきちんとたたまれ、ちょこんと置かれていた。ちなみに服も布団も、上条のクラスメイトの姫神の作品だ。
「おお。おはよう、オティヌス……お前、それどうやって広げたんだ?」
「簡単だ、禁書目録に広げてもらった」
「あ、成る程」
オティヌスが上条家に来てから早2週間。今では彼女もすっかりインデックスとも仲良くなり、上条としては嬉しい限りである。スフィンクスとはまだ若干距離があるが。
「悪いな、朝飯遅くなって。何か食べたいものとかあるか?」
オティヌスとコタツに入り込んだインデックスにいつものようにリクエストを聞く上条。
「ハンバーグ!」
と、インデックスから帰ってきた返答はある程度予想していた物だった。
「朝からそんなヘビーなものは食べれません」
「却下」
「えへへ。冗談なんだよ。ホットドッグが食べたいんだよ!」
即座に却下した上条、オティヌスに対し、インデックスは笑いながらもう一度リクエストをしなおした。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ