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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第18話 「闖入者」
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「試合中止!織斑、凰、直ちに退避しろ!」

千冬は無線機を手に取って叫ぶ。観客は喧しく騒ぎながら避難を開始し、山田先生を始めとした教師陣は事態の把握と対策に尽力し、箒とセシリアは一夏の身をただ心配する。その中でただ一人、零だけが時間が止まったかのように無言で映像を凝視していた。

「あれは・・・、あの機体は・・・。」

深みがかった灰色、腕が異常に長く人間離れした容姿、そして『全身装甲(フルスキン)』。その全てが物語る、たった一つの結論。

(コアNo.468、自動操縦型試作稼働機《ゴーレムI》・・・。なぜここに・・・。)

零が束と共同で研究、開発した無人稼働機のプロトタイプ。現行ISと比べてもトップクラスの機動力と高出力のビーム兵器を併せ持った"競技"用ではない"戦闘"用のISだ。それが今、目の前に映っていた。

「織斑くん!凰さん!今すぐアリーナから脱出してください!すぐに先生たちがISで制圧に行きます!」
『・・・いや、皆が逃げるまで俺たちが食い止めないと。』
「そ、それはそうですけど・・・。でも、いけません!織斑くん!」
「「一夏(さん)!」」

山田先生たちの必死の呼びかけを聞き流しながら、尚も考える零。千冬も同じく沈黙を守っていた。

(あれは明らかに一夏を狙っている。何故だ?あの人は俺に護衛を頼んでおきながら、自分で一夏を殺す気か?)

クラス対抗戦のことを報告した際、束はこのような計画があることを微塵も匂わせていなかった。そうしている内にも一夏と鈴が必死になって《ゴーレムI》と戦っている。

(《ゴーレムI》の戦闘能力は代表候補生を超えている。あの二人じゃ負けるのも時間の問題だろう。俺が出るしかないか・・・?いや、出る。考えるまでもないだろうに!)

己の愚鈍さを呪いながら出撃を進言しようとする零。しかし、それよりも早くセシリアが口を開いた。彼は思わず舌打ちをしてしまう。

「織斑先生!わたくしにISの使用許可を!すぐに出撃できます!」
「そうしたいところだが・・・、これを見ろ。」

千冬の言葉と共に目の前にディスプレイが表示される。内容は第二アリーナのステータスチェックだった。興味無さそうに一瞥した零だが、その内容に目を疑った。

「遮断シールドがレベル4に設定・・・?しかも扉が全てロックされて・・・。あのISの仕業ですの?」
「そのようだ。これでは避難することも救援に向かうこともできない。」

最悪の事態だった。これでは一夏や鈴を助けに行けないばかりではない。アリーナにいた生徒全員が完全に閉じ込められた状態だ。仮に一夏と鈴が突破されれば、間違いなく一般生徒に被害が出る。

「でしたら!緊急事態として政府に救援を・・・」
「やっている。現在も三年の精鋭がシステムク
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