暁 〜小説投稿サイト〜
ヒキガエルのジャクソンさんのお話
第一章
[1/2]

[1] 最後 [2]次話
                ヒキガエルのジャクソンさんのお話
 ヒキガエルのジャクソンさんは蛙なのでお水、それも奇麗なお水が大好きです。それでお友達のアマガエルのアーサーさんにいつも言っていました。
「わしがここにいる理由はな」
「お水が奇麗だからだね」
「そう、それでなんだよ」
 湖の草と草の間にいてお話するのでした。
「ここにいるんだよ」
「そういうことだね、ただね」
「ただ?何じゃ?」
「この湖は確かにお水は奇麗だけれど」
 それでもとです、アーサーさんはジャクソンさんに言うのでした。
「その分水鳥が多いし」
「連中か」
「水鳥は怖いよ」
 アーサーさんは目を顰めさせてジャクソンさんに言っていきます。
「僕達を見たらすぐに食べようとするから」
「うむ、確かにな」
「鴨もいれば鷺もいて」
「この湖は本当に鳥が多いな」
「それにだよ」
 鳥以外についてもです、アーサーさんは言います。
「蛇もいて狐もいて」
「怖いものばかりだな」
「そうした連中が一杯いるからね」
 この湖にはというのです。
「危険な場所ではあるよ」
「だからというのじゃな」
「うん、それでもここにいるのかな」
「確かにここは危険な連中も多い」
 その水鳥や蛇達です、蛙にとってまたとない天敵である。
「しかし水が奇麗じゃ」
「それで好きなんだね」
「こんなに水が奇麗な場所があるか」
 こうも言うジャクソンさんでした。
「わしは知らんぞ」
「ううん、言われてみればね」
「御前さんも知らんな」
「そんなに他の場所に行ってないけれどね」
 それでもと返すアーサーさんでした。
「僕もここよりお水が奇麗な場所は知らないよ」
「だからじゃよ」
「ここにいるんだね」
「水鳥や蛇はやり過ごす」 
 襲って来てもというのです。
「そうするからな」
「だからいいんだ」
「そういうことじゃよ、しかし本当にな」
「水鳥や蛇は多い場所だよ」
「そのことには注意せねばな」
「さもないと食べられるからね」
 アーサーさんはこのことだけはと言うのでした。
「ジャクソンさんだって食べられたくないよね」
「食べられたい奴なぞいるか」
「そうそう、あと人間の子供も怖いね」
「人間か」
「僕達を捕まえて悪いことしようとするから」
「確かにのう、その中でも人間の子供はな」
「下手をしたら水鳥や蛇より性質が悪いよ」
 アーサーさんは彼等のことを話しても怖がっています。
「人間の子供はね」
「何処にでも出て来るしのう」
「全くだよ、木だって登るし」
「増える一方じゃしな」
「だからね、お互いに気をつけようね」
 くれぐれも、と言うアーサーさんでした。
「人間の子供にも」
「そうじゃな、わしも御前さんもな
[1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ