暁 〜小説投稿サイト〜
『ある転生者の奮闘記』
TURN19
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


「………お断りしますわ」

「なッ!? どういう事だッ!!」

「そのままの意味ですよ山下長官。貴女は何しに此処へ来たんですか?」

「貴様の現役復帰と謝罪だ」

「………もしかして今のは謝罪ですか?」

「あぁ、私なりの謝罪だが?」

 ……やってられへんなこれは。

「ともかく、その件はお断りします」

「な、何故だッ!!」

「勝手に人を疑った挙げ句、今度は手のひらを返すように復帰命令ですか? ふざけんなこのクソッタレェッ!! 流石の俺も怒るぞッ!!」

 俺は山下の言葉を無視して、応接室の扉をバァンッ!!と強く叩きつけて出た。





―――総司令部―――

「お帰りなさい長官。お客さんは誰だったんですか?」

「………まぁ顔見知りやな。会いたくなかったけどな………」

 司令部付きの質問に俺はそう答えた。





―――二日後、海軍省―――

「東郷ォッ!!」

バァンッ!!

 山下が海軍長官室の部屋に入ってきた。

「どうした利古里ちゃん?」

「どうしたもこうしたもないッ!! 狹霧が現役復帰を拒否したぞッ!!」

「ど、どういう事ですか山下長官?」

 東郷長官の傍らにいた秋山が慌てる。

「いいか、アイツは私に………」

 そして、山下が二人に説明をすると二人が溜め息を吐いた。

「な、何だいきなり……」

「利古里ちゃん……それは誰でも怒るさ」

「なッ!?」

 東郷の言葉に山下が驚く。

「……そこは普通に頭を下げて謝るべきです ね」

 さしもの秋山も山下にそう言った。

「私にはあれが謝罪なんだッ!!」

「「(謝罪なのか……)」」

「仕方ないだろッ!! 私は今まで謝る事は滅多になかったんだッ!!」

「……意外な事実ですね」

「まぁそれは兎も角だ、もう一回行ってキチンと謝るべきだ利古里ちゃん」

「………分かった」

 山下は渋々と部屋を出た。

「………意外とあの利古里ちゃんも可愛い な………」

「………頼みますから仕事をして下さい………」

 東郷の呟きに秋山が腹を押さえながら言っ た。







[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ