暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜漆黒の剣聖〜
アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第七話 剣聖vs流星
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決闘日当日の朝、四十四層にある小さな辺境の圏内村。普段誰も寄り付かないこの場所にソレイユは足を運んでいた。

「・・・・・・・・・・」

険しい表情をして歩いていくソレイユだが、ある一軒の家の前に着くと、家のドアを開け中に入っていく。その中には、鍛冶に使う道具が並んでいた。
しかし、ソレイユはそれに目もくれず、家の奥にある暖簾に向かって歩いていく。

「また、よろしく頼むぜ、相棒・・・」

そうつぶやいた後、暖簾をくぐっていくと、そこにあったのは一本の長刀と二つの指輪だった。ソレイユはそれらを一度アイテムウインドウに収納し、装備した。
その後、身を翻し、家を後にする。その時のソレイユは微かに笑っていた。



先日新たに開通になった七十五層の主街区≪コルニア≫はローマ風の造りの街だった。
すでに剣士や商人プレイヤーが乗り込み、見物人も押しかけ活気を呈している。そんな中、転移門の前にそびえたつ巨大なコロシアムであるイベントが行われていた。
四人のユニークスキルホルダーによる決闘である。

本来はここまで大事になるつもりはなかったのだがKoBの経理を担当しているプレイヤーの仕業で露店まで出るほどになってしまった。

そして今、第一試合目である≪黒の剣士≫キリトvs≪聖騎士≫ヒースクリフの試合が終わりを告げた。ヒースクリフの勝利という形で。



「お疲れ様。おしかったね、キリト君」

二試合目が行われるので、心配で駆けつけたアスナとともに観客席に戻ってきたキリトにルナは労いの言葉をかけた。キリトは肩をすくめながら言った

「結局、負けたけどな」

「それでも、良い線いってたって。まあ、とりあえず入団おめでとう。これからよろしくね」

「ああ、よろしく」

そういってキリトはルナの隣に座り、アスナはキリトの隣に座りルナに尋ねた。

「そういえば、ソレイユ君は?」

今まさに二試合目が行われようとしているのだが、肝心のソレイユがまだ来ていない。
それを当たり前のように疑問に思ったアスナが何かしら知っているであろうルナに尋ねたのだが、ルナは首を横に振り口を開いた。

「わかんない。一緒に来ようと思ったんだけど・・・、用事があるから先に言っててくれって言われて」

「用事?」

「うん。そうとしか聞いてないからどんな用事かはわからないんだよ〜」

「そうか・・・」

それから、少しの間雑談をしていると観客席から再び歓声が鳴り響いた。闘技場のほうには黒いローブに身を包んだオシリスが目を瞑り、腕を組んで中央に立っていた。もう間もなく二試合目が始まってしまう。
しかし、いっこうにソレイユが現れる気配がない。

「ねえ、ルナ・・・、メールとか送ったほうがいいんじゃ・・・」
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