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異なる物語との休日〜クロスクエスト〜
休日のD
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「お、俺はパス……」

 かすれた声で、リュウが右手を挙げる。看病をしていたハリンもだ。

「じゃぁ僕も。しばらくリュウ君を仰いでたほうがよさそうだしね」
「おれは参加だな!」
「勿論俺もだ。陸軍仕込みの技術を見せてやる」

 理央とゼツが参加表明。

「じゃぁ俺も出るよ。ちょうど暇だったんだ」
「えっと……じゃぁ、俺も出ようかな。数合わせ的にも」

 キリト、理音の二人が手を挙げる。

「仕方ない。……まぁ、やるならやるで優勝を目指させてもらおうか」

 アツヤもやる気になったようだ。

「あ、俺パスな」
「おう? 意外だな。俺との決着を付けんと申すのか、来人」
「そうじゃねーよ。ただ……なんとなくな。謎の責任感を感じた」

 来人は参加拒否……彼もこの旅館に毒されて来始めたのだろうか。どこぞの少年神がドヤ顔でご都合主義を敷いているのが丸見えである。

 これはつまり――――数合わせで、「セモンが参加しろ」という事なのである。

 セモンは、直感的にそう感じた。

「じゃぁ……出るよ。これで八人だ」

 仕方なく手を挙げると、雷斗が満足げにガッツポーズをとる。

「おっしゃぁ! ……っつっても、卓球台は一つか……うーん、いちいち待ってると時間がかかって……」

 そこまで言って。急に、雷斗は口を閉ざした。その眼は、彼にしては珍しく、驚きに見開かれている。

 どうしたんだ、と問おうとして――――彼の視線の先を追ったセモンは、謎の頭痛を感じた。

 ……いつの間にやら、卓球台が四台に増えていた。時間短縮のつもりなのだろうか。というかどこから湧いて出たし。

「……まぁ、これで一台につき一試合、という事で」
「よっしゃ、早速始めようぜ!」

 セモンがしかめっ面のままそう言うと、早くも衝撃から立ち直った雷斗が、勇んで卓球台の一つに向かった。

「……っと、待った! 対戦の組み合わせはどうするんだよ!?」

 叫んだのはアツヤだ。確かに、現在の状態では誰が誰と戦うのか全くの未定だ。とりあえず雷斗というチーターがいる時点で、奴が決勝に残るのは間違いないだろうが、かといって組合せを決めないと勝負がそもそもはじまらない。

「あ〜!何故か既に用意されていたくじ引きがここに〜!」
「わざとらしいぞ来人!!」

 キリトが絶叫。

 ポケットから番号が書かれた紙切れを取り出す来人。マズイ。本格的にご都合主義結界の犠牲になり始めたらしい。

「とにかく引こうぜ!! 早く!」

 真っ先に飛び出して行ったのは雷斗だ。

「あっ、待て! 最初に引くのは俺だ!」

 ジンが続く。

 その次に理央、キリト、理音、ゼツ、アツヤ、セモンが引いていく。
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