暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜Hero of the sorrow〜
番外編
この哀しみを終結へ。
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「・・・香さん」

今帰りますよ。

ユキはそう呟いて、ボロボロの体に鞭を打った。

次元の裂け目は、どこまでも遠く、近い。

「そろそろかな・・・」

ユキが一歩前に踏み出すと、次元の裂け目――――帰り道が塞がり始めた。

まずい。そう思って駆け出すと、目の前に忌むべき電子の怪物たちが現れる。

「ここまでいたのか・・・」

ユキは剣を呼び出す。

助けられなかった少女によって進化したタイタンソード。

「ピリオド」

長き哀しみに終結を。その名を冠した剣、それがピリオド。

黒き白銀の剣が怪人達を照らす。

「アルファゲイン」

タキオンと『あの子』からもらった力によって得た、さらなる力。

最初(アルファ)獲得者(ゲイン)

攻撃は一瞬。

実際には何回もの怒濤の如き攻撃。

他者は見る事はできず、確認できるのは理論上―――――

敵が倒れる最後の一撃のみ!!

一瞬で数千体もの怪人が消滅する。

「まだ来るか・・・!」

次に呼び出すのは、進化したシャイニングカリバー。

「アンファング!!」

哀しみの果てに始まりを。その名を冠した剣。アンファング。

白き刀身が暗闇を照らす。

ン・ダグバ・ゼバが無数に湧く。

「次元の歪みで出てきたのか・・・」

ユキが駆け出すと共に、何百体にも及ぶダグバが動き出す。

「オメガゲイン」

最後(オメガ)獲得者(ゲイン)

無数のダグバの攻撃。その動きを瞬時に読み、持ち前の速度で避けていく。

一体のダグバの攻撃が、ユキの腹部へと向かう。

ユキは手でそれを受け止めた。

いや、実際には受け止めていない。

ユキの掌から発せられた、古代文字の障壁。

それが攻撃を防いだのだ。

ダグバの腕は封印エネルギーに浸食され、消滅した。

「もう・・・もう・・・っ」

魔方陣を発生させ、手を突っ込む。

「あの子を苦しめるのはやめろ!!」

手を薙ぎ払う。すると周りのダグバが封印エネルギーに侵され、消滅した。

「はぁっ・・・はぁっ・・・」

「はああああああああああああああっっ!!!!」

アンファングとピリオドを地に突き刺すと、ユキは叫ぶ。

「オール・・・!!」

「デリィィィィィィィィィトォ!!!!!!」

真っ黒な空間が全てを呑み込み、消滅する。

ユキは駆け出し、次元の裂け目へ跳びこんだ。

救えなくて・・・ゴメンね。

傷付けてしまってゴメンね。

助けを求めていたのに・・・っ!!!

「くそおおおおおおおおお!!!!!」

咆哮。涙が止まらず、目の前には香がいる。

「ユキ・・・・」

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