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日向の兎
1部
29話
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泥や血やらで酷いことになっているが、命に別条はないようだが……
「すまんな、もう少し来るのが早ければ髪を切らせる事も無かっただろうに」
「い、いえ……」
「ミイラ男と女は私が仕留める。リー、お前はそこの論外ファッションを仕留めろ」
「ろ、論外ファッションですか……確かに死なんて描かれた服というのは僕もどうかとは思いますが、随分と酷い呼び名ですね」
「あれの名前など知らんし、知りたいとも思わんからな。それに、あのミイラと君の相性は悪いが、論外ファッションは君の方が圧倒的に有利だ。
君のスピードでなら技術すら必要なく叩き潰せる」
ミイラの右腕にある物はスピーカーか何かにのようで、サクラのトラップを破壊したのもあれだろう。性質的には私の蓬莱の枝と同じく振動で攻撃するタイプだが、私のものは鋼や鉄などの硬いものを破壊することに特化したものだ。
一方、ミイラのあれは人体やらに異常を発生させる事に特化した物というべきものか。恐らくはチャクラで音に指向性を持たせて組み合った際に、音で耳や脳を攻撃することによって平衡感覚などを狂わせるのだろう。
組み合った時の関係上、リーのような体術系とは最も相性の悪いタイプだな。一撃でも防がれればミイラの音波攻撃の射程に捉えられるのだからな。
一方、論外ファッションは掌から体に伸びて肺に繋がっている体内の管から察するに、空気をチャクラで圧縮してそれを管伝いに発射すると言ったところだろう。
威力は中々だろうが、あの手の攻撃は構え、照準、発射という最低三つの動作が必要だ。そんなものを必要とする相手など、スピードを強みとする体術に特化したリーにとってカモ以外の何者でもない。
……女の方は持っている忍具から察するにトラップ系か。鈴とワイヤー、千本、音で相手の注意を引いて千本を他方向から放つと言ったところか。白眼の前では何の意味もなさないタイプだな。
「ボク達を随分と甘く見るね、君」
「いや、これでも過大評価だと思っている。所詮、君達の術は人体改造や武器ありきの物なのだからな。論外ファッションは体内の管がなければ、君はスピーカーが無ければ一体何が出来ると言うのだ?
急拵えの力、借り物の力、そういう力をさも自分の物だと誇っている愚か者……何か間違えがあるのならば指摘したまえよ」
「成る程……では、君の言う愚か者に殺されるといい」
ミイラは私に右腕を向けて襲いかかってきた。とはいえ、ミイラも私がスピーカーの事を知っていると踏んだらしく、左腕にはしっかりの苦無を握っている。
確かにミイラの攻撃はその特性上、右腕の攻撃は捌くのでもなく防ぐのでもなく、大きく弾かなければならない。それ故に最低でも片腕は防御にやらにまわすことができない。それを見越しての左手の苦無だろうな……
「だが、私がどのような手を打つ
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