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蜻蛉が鷹に
第八章
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第八章

 浜尾はだ。仲間達に言うのだった。
「あの歓声をな」
「俺達に向かわせますか」
「そうしますね」
「絶対に」
「ああ、絶対にな」
 そうするというのであった。
「あれ以上の歓声にするぞ」
「ええ、じゃあ」
「行きましょう」
「是非」
 こうしてだった。彼等はショーに向かうのだった。そうしてそれぞれの機体に乗り込みだ。空に飛び立つのであった。そこからだった。
 浜尾はだ。通信で隊長に言った。
「隊長、ここはです」
「ああ、あれをやるんだな」
「ここはあれしかありません」
 こう彼に言うのであった。
「それでいいですか」
「そうだな。負けていられないからな」
 隊長もだ。負けん気があった。自衛官としてだ。
 それでだ。隊長も言うのだった。
「じゃあな」
「はい、やりましょう」
 こうしてだ。ブルーインパルスはだった。
 まずは急上昇してだ。それから。
 一機ずつ横に連なりだ。そこから一機、また一機と横にスライドしていく。そうしてそれぞれの色の煙を出していくのだった。
 それからだ。宙返りに次ぐ宙返りを見せるのだった。
「おいおい、やるなあ」
「自衛隊も」
「思った以上にな」
「やってくれるな」
 観客達はその動きを見て言う。
「結構以上にな」
「凄いよな」
「ああ、大したことないって思っていたけれどな」
「それでもな」
「けれどな」
 しかしだ。ここでこうも言われるのだった。
「まだこれ位じゃな」
「ああ、アメリカ軍もっと凄かったよな」
「もっと派手にやってたしな」
「そうだったよな」
 こうしてだ。アメリカ軍よりは落ちると言われた。だが。
 ここでだ。浜尾が隊長に言われた。
「浜尾一尉」
「はい」
「あれをやるぞ」
「わかりました。それじゃあ」
「やるぞ」
 こうしてだった。彼等は超低空飛行に入るのだった。
 地面すれすれに飛んでだ。そうして。
 そこから宙返りに反転、きりもみ飛行をしてみせるのだった。
「おいおい」
「一歩間違えたら地面に激突だぞ」
「それするか?」
「ああして」
 これはだ。アメリカ軍もしないことだった。
「それをするかよ」
「自衛隊徹底してるな」
「ああ、あそこまでやるか」
「これは」
 そしてだ。遂にこの評価が出た。
「アメリカ軍超えてるな」
「そうだな、あれは」
「もうな」
「確実にな」
 こう言われるのだった。そして。
 浜尾がだ。また隊長に言われた。
「最後は御前が締めろ」
「了解」
 隊長の言葉に応えてだ。すぐにであった。
 滑走路のところに来てだ。何と。
 滑走路すれすれの高さに飛んでみせる。そこできりもみ回転に宙返りをしてみせてだ。一瞬だけ着地してそこからまた急上昇し
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